2014-01-01から1年間の記事一覧

「真田丸」と「永遠の0」

このところ映画で話題になったゼロ戦。『風立ちぬ』で取り上げられ、さらに『永遠の0』では特攻隊の搭乗機として若者たちのマインドに蘇えっている。しかも、隣国との領土摩擦できな臭いご時世である。 特攻隊の精神なるものがどのような伝統を背負っている…

ユダヤ人の知的優位性の初期の社会学的分析

ウェブレンというと『有閑階級の理論』が名高いが、ユダヤ人について鋭利な分析を行っているのを書き留めておく。 『近代ヨーロッパにおけるユダヤ人の知的優位』なる論文がある。ここでユダヤ人知性の顕現がどのような社会的背景で生じたかを論じているのだ…

外国人の日本人観について

東日本大震災のおりに、海外で話題になった「秩序を守る」国民性。 オリンピックの東京誘致の滝川Cのプレゼンで引き合いに出された「おもてなし」や「安全性」。 どうやら、この手の海外からの日本観はかなりステレオタイプになっているようだ。 一頃の出っ…

姥神をめぐる柳田翁の思考の片鱗

柳田国男の著作はまことに読みにくい。 柳田翁の並べ立てる事実から推論した理論や仮説というのが見え難い。著者の主張と人々の行為や想像がないまぜにされている。 『年中行事覚書』のなかに姿をほんの少し見せる「ダイシ」の信仰もその一つだろう。里山を…

死ぬまでの自我喪失の模様を予想する

入眠時幻覚というのがある。意識が薄れゆくなかで抑圧されていた識閾下の活動が自由に蠢きだす。その瞬間は、我らの死にゆく時は似ているのだと思う。 もう少々、分析的に死ぬ意識についての予想を書き連ねておこう。 脳=意識を成り立たせている機能モジュ…

群馬の古代人 「羊」

群馬県の石碑に「多胡碑」がある。場所は高崎市吉井町池字御門です。 三大古碑の一つで、国の特別史跡でもある。 弁官符上野国片岡郡緑野郡甘 良郡井三郡内三百戸郡成給羊 成多胡郡和銅四年三月九日甲寅 宜左中弁正五位下多治比真人 太政官二品穂積親王左太…

アップルジュースでダイエット

「アップルジュースでダイエット」とは題してみたが、本当のところは、嫌いな食べ物を使うと摂食できるということ。 自分はりんごが苦手で、りんごを齧ると胸がいっぱいになる。 これを逆手に取るとカロリーオフできる。 通常ならおかずの一皿、ご飯の一膳を…

高度成長期のアンチソング「トム・ピリピ」

こうした大金持ちのセレブを吹聴するホラ吹きの歌というが高度成長期に流行ったものだ。 しかし、これには原曲があったのだ!

荒神谷遺跡についての情報の幾つか

出雲神話の舞台である斐川町荒神谷の神庭から、前代未聞の358本という大量の銅剣が発掘された。 1984年のことだ。弥生時代後期ともくされる。 まず細目の紹介は省いて、注意すべき情報だけをまとめておく。 1)丘陵の斜面に整然と埋設するというのは…

猫の踊り

横浜市営地下鉄の駅に「踊場」という場所がある。 このサイトに簡単な紹介があるように、猫が踊るカーニバルのような行列があったとされる。伝承に由来する地名だ。地下鉄と猫伝説という取り合わせはいいですね。 興味を惹くのは、猫の踊り昔話はココだけの…

B級映画の最高峰の一つ「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」

『Attack of the Killer Tomatoes』(1978)といえば泣く子も黙るB級映画ですが、発想のアホらしさをそのママ映像にしてしまうところが、アメリカ人の国民パワーであります。 トマトの恐ろしさより脇役の奇抜さが異彩を放っています。 テーマソングでカルト…

一口坂(いもあらいざか)

難読地名の最たるもの「一口坂」は「いもあらいざか」と訓ずるそうだ。 下記の京都の地名本に出ていたので、ちょっと調べてみた。 芋洗坂もしくは一口坂は東京にもある。むしろこちらの方が有名だろう。靖国神社の裏手に当たる坂道だ。 その由来は「疱瘡神」…

Martial art beauty

演武の様式美というのは独特なものがある。

なつかしのメリケン・ドラマ『学園は大騒ぎ』

邦題は『学園は大騒ぎ』 原題は『HANK』(1965) ニセ学生のハンクが大活躍。最後に正体がバレるがその運動能力が買われて、奨学生になる。アメリカの佳き60年台のキャンパスがパラダイスのように見えていた。 夢のような学園ものであったわい。 オープニング…

今なお健在な不受不施派@千葉県

江戸時代を通して権力者から弾圧を受けた宗教集団というとキリシタンと隠れ念仏、それに不受不施派だろうか。 前二者は九州地方に残存するのみであったが、不受不施派は幕府お膝元の房総地方にもその拠点が残存し、その子孫が営々と信仰の伝統を伝えている。…

ブレード・ランナーのテーマ

ヴァンゲリスの作による『ブレード・ランナー』のテーマ P.K.ディックの原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」は管理社会の倦怠感とまだるい現実感で描き出す。 パノラマ映像の巨匠リドリー・スコットはP.K.ディック・ワールドに末期的な世界観を加味し…

タラのテーマの替え歌

『Gone with the wind』映画史上、一番輝いて見える作品だろうか?『風と共に去りぬ』の有名な「タラのテーマ」の替え歌をメモる 消防車〜、救急車〜、それから霊柩車〜 以下、繰り返す。 霊柩車というとこの書籍だ。この本はかなり永続性のある内容で改版を…

第二次日中戦争前夜ではないことを祈る

尖閣諸島をめぐる対立が拡大し日中戦争にならぬことをひたすら祈念するものであるが、ここで一つの歴史的対比をしておきたい。 日清戦争との対比である。 日清戦争前の日本は開国したばかりで軍備は清國に比べて貧弱であった。国防費なども数字の上では清國…

八角形の人工島 大崎島

日本初の海上飛行場は八角形をしていた。豊橋海軍航空隊の所有に関わる大崎島である。 昭和15年に埋め立て完成。 四方八方に飛び立つことを考えたのであろうか。 現在、その場所には島はない。昭和の陸進で消え失せたが、大崎町という地名は残る。大きな地図…

ゾウのいた頃

かつては世界中のいたるところにゾウがいた。シベリアのマンモスは言うに及ばず、南北アメリカにも、中国大陸にも、日本にさえナウマン象がいた。 ゾウの生存圈の消失は人類の増長と比例するように続いている。 有史以降、ゾウの消えた場所としては北アフリ…

思想系出版を牽引した編集者

その名は中野幹隆である。ポストモダンやニューアカデミズム系の出版の立役者ともいうべきか。1943年 - 2007年の60年の生涯だった。 朝日出版社の『エピステーメー』の時代が、その編集者としての辣腕が最高潮だった。1975年の頃だ。 この月刊誌は日本の思想…

我が散髪の個人史

昔から理髪業、いわゆる床屋は苦手な人でると自他共に許すものがあった。 少々過去を振り返るとしよう。 散髪の個人史である。 この数年はQBハウス。QBが登場してからはほぼ入り浸りである。昔から頭髪には金をかけない主義であった。短時間で終わるのがいい…

クラブ好きな英国人

手持ちの蔵書を調べてみたらクラブと名を含む小説が三冊もあった・チェスタトンの『奇商クラブ』、スティヴンソンの『自殺クラブ』、マッケン『怪奇クラブ』であるが、どれも英国人の小説であるのが共通であろう。 小林章夫の『クラブ 18世紀イギリス 政治の…

起きてきけ此時鳥市兵衛記 其角

宝永年間、上総というから今の千葉県北部姉ヶ崎の実話。市兵衛は主人が罪を得て、遠流となるとその老父と遺児に仕えること11年。 江戸に出ては官庁に嘆願書を出し、身を持って主人の罪に代えるように訴えた。 幕府もその忠義に感銘し、市兵衛に主人の田地…

イザベラ・バードの『朝鮮紀行』を読む

この記録が貴重なのは19世紀末期の開国したばかりの朝鮮半島の実情を英国人女性(英国地理学会会員でもある)の視点からつぶさに読み解くことができることにある。 彼女の視点は民主化して産業革命を経験した現代人のそれに近いのだ。 しかも、彼女は日本…

風呂あがりにビール飲んで「プハーッ」表現

型にはまることで、はじめて経験が自己に刻印されることがある。 風呂あがりにビール飲んで「プハーッ」表現などは、その典型といえるのが、どうしたわけか、こう言わずにすまないとノド越しスッキリ緊張開放にならない感がしてしまうのだ。 同意したのを強…

フランス6人組の一人でもある女流作曲家

その名はジェルメーヌ・タイユフェール。ラヴェルに師事する。「耳のマリー・ローランサン」 女流でも立派なクラシック作曲家がいるのだなあ。

リヒャルト・シュトラウス 『ホルン協奏曲 第一番』

多作家リヒャルト・シュトラウスの19歳の作品!

なぜ現生人類はアフリカから出現したのか

「なぜ現生人類はアフリカから出現したのか」は数ある無価値な疑問の一つでしかないかもしれませんが、一つの意味ある仮設を引き出すことはできます。 アフリカでは現在まで飢餓や紛争が絶えたことがありません。ご当地人類の受難の地です。黒人たちは苦難の…

最後の琵琶法師 山鹿良之

1990年代まで伝統的な琵琶法師として人生をまっとうしたのが、山鹿良之であるとされる。盲人として師匠につき、旧事(ふること)の物語の語り部として生計をたてた。 彼の生涯はそれ自体興味が尽きない。 日本社会では盲人はれっきとした職業の場を与えられ…