2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

天の岩戸を信じてみる、とくに手力雄の尊を尊敬してみる

どだい、天の岩戸伝説を信じることはほとんど無意味に近いけれど、それをルイス・キャロルのオススメに従い朝食前に「あれはほんとにあったんだ」と思い込んでみるのもかなりいい気分転換になるかもしれません。 そのなかでも、影が薄い天手力雄神のことをち…

田原市史跡を行く

愛知県の田原市といっても、それほど知名度が高い土地柄ではない。渥美半島の市町村といえば地理的には理解してもらえる場所だろう。三河地方でも南部であり、温暖な気候に恵まれていた地域だ。 なので、杉浦明平を思い出してしまう。この土地で養蜂や野菜ず…

ダンセイニ卿の城館

どれほどの日本のファンが訪れたことがあるかは定かではないけれど、ここがあの神話的ファンタジーの大家で貴族かつ軍人であったダンセイニ卿の城であります。『ペガーナの神々』のような神韻縹渺たるファンタジーを構想できるには世界の最果ての城館こそふ…

特攻精神から自爆テロへの道行き

ある戦記もの作家の体験談がある。 太平洋戦争末期近く、岐阜のはずれに住んでいた作家の郷里の真上をB29の大編隊が爆撃のために名古屋方面に向かうのを、まだ子どもであった作家と村人たちは恐れと慄きをいだきながら見上げた。 その時、一機の日本の戦闘機…

甲賀三郎伝承の周辺

室町時代初期に成立したとされる『神道集』の一編である「甲賀三郎」伝説は民俗学者や小説家、文芸評論家などの関心をソソってきた。 そのストーリーのどんでん返しは主人公「甲賀三郎」の地下世界放浪の後、ようやく地上に帰り着いた時である。 苦難の挙句…

山中共古のこと

民俗学の創始者は柳田国男であるが、その柳田国男の模索期に大いなる刺激を与えたのが旧幕臣の山中共古翁であった。 一般には『砂払』なる著作が知られているだけであろうが、山梨県の民俗学者や考古学者には知名度が高い。 もとはといえば、維新後の徳川慶…

天竹神社を行く

三河地方に「ワタ」と「天竺」に関わる神社があると聞き、遠路はるばる訪れてみた。西尾市の外れにある。「天竹神社(てんじくじんじゃ)」であります。 おもて向きは村の鎮守という趣きの社であります。ご祭神は新波陀神(にいはた、ともシバタとも) 崑崙…