2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

メンタルQOLと「赤毛のアン」

死ぬよ死ぬよとガンを告知されて抗癌剤を飲み飲み不安に生きるというのは、現代日本人の高齢者の半分ほどが見舞われる宿命なのだとか。 とある医療人類学者がレポートするには、つい先ごろまで新潟の田舎では、老人の死ぬ原因は 腹がある日痛くなってコロリ…

ドラッカーの日本美術観

マネジメントの神様、ドラッカーは日本美術通であった。それも半端な鑑賞力ではない。 縄文土器の独自性や芸術性を早くから感知し、20年以上前に伊藤若冲や蕭白の価値を理解しているのだから。 北斎や歌麿どまりではないところが、やはり具眼の士たる証拠…

忍者部隊月光

吉田竜夫原作のマンガをもとにした実写活劇テレビシリーズだ。 『忍者部隊月光』はヘルメットをかぶり日本刀を背にした怪しい黒ジャンパの一群。 それが忍者部隊である。 拳銃のような卑怯な飛び道具は持たない。日本刀を振り回し、抜群のジャンプ力で飛び跳…

竹取物語と富士山

ほぼ柳田国男翁の『昔話と文学』を依拠しつつ、竹と月と富士山を取り上げます。 『本朝文粋』には「富士山記」という文があり、なぜだか山頂に青々とした竹林があるとしている。 また、その頂上に池を匝りて竹生う それと、富士山のふもとに日本では珍しい竹…

川崎市のオアシス 月読神社

神奈川県は川崎市麻生区に月読神社が鎮座している。川崎というと工業都市のイメージだが、そんなアーバンな風情とは裏腹にうっそうとした小高い丘の上に神社がある。 本日は秋の例大祭。氏子さんたちが神域を掃き清めていた。 月読の尊は壱岐地方の神だった…

エンパイア・スター

『エンパイア・スター』をご存知ない? それは幸せですね。このSFを先入観なしに読めるなんて、シンプレックスです。 サミュエル・ディーレニィは60年代のSFというより20世紀後半のSF界のノヴァでした。 彼には数々の話題作がありますが(最近、よ…

足柄の日帰り温泉

南足柄市にある帰り温泉「おんりーゆー」に行ってきた。場所は山の上、深山幽谷の中だ。 同地の観光地である大雄山最乗寺をワキに見てさらに山奥にある。温泉浴と森林浴をまとめて体験できるのが売りなのだろう。 なぜか、エントランスの真ん中に大きな樹木…

築地市場の寿司屋で一杯

台風15号による雨のしょぼつく夜、築地の市場で一杯やりました。 ビールとサワーだけでベロベロになりましたが、刺身は旨かった。安くはないけど本場の味だった。お探しの店舗のページはありませんでしたぐるなびで店舗を探す ヨカ店ですタイ。 築地市場は…

饕餮(とうてつ)の顔をクローズアップ

古代中国の文様でありモンスターである「饕餮(とうてつ)」の顔は、いずれの表示でも判別しがたいものがあります。 wikiの饕餮イメージをもとにグレースケール化して、フィルターをかけてフォルムを浮き出させてみました。 人面で身体は牛とも言われる妖怪…

『遊星王子』を見たまえ

幼いながらも健全で愉快な邦画『遊星王子』を見ましょう なんとも、元気あふれるお話ですねえ。宇宙がまじかだったけどテレビは家になかったのですねえ。

秋の夜長に

秋の夜には憂いを帯びたこの歌曲を一人静かに聴きませう。 ラフマニノフの『ヴォカリーズ』です。ラフマニノフ自身による器楽曲にはエッセンスを感じます。 暮れゆくロシアの大地のかげりとでも言うべき寂寥感がただよう名曲ですねえ。 キリ・テ・カナワの美…

スパリゾートハワイアンを訪れて

日本にあるハワイといえば、いわき市にある「スパリゾートハワイアン」だ。常夏の島が福島にある。その絶対的な違和感が好きであった。 いまは、先の大震災でダメージを受けて工事中である。 ここには是非、がんばって繁盛してもらいたいものだ。炭鉱の灯が…

疾走する哲学者 中井正一

岩波文庫『中井正一評論集』の長田弘のあとがきの締めくくりが見事だ。 1952年没。死は早すぎたが、言うべきことを、中井正一はすべて言っていて、その人生は未完の印象を残さない。 最後の京都学派の一人である中井正一は50代半ばで逝った。戦前は治安…

草叢のダイアモンド

澁澤龍彦が密かに閉じ込めておいた愛惜の短編がフォルヌレの『草叢のダイアモンド』 屍と愛と蛍の三位一体。この詩人フォルヌレの残した題名「詩でも散文でもない水蒸気」だ。 白い顔をした黒い男を装った、奇人文学者は、その骨すらも散逸した。いやはや言…

盆踊りの夜

逝きし良き時代の長野県阿南町の盆踊りの清楚なヒトのスナップショット。 昭和の昔の忘れられた、でも、忘れえぬ一枚というところか。 踊り念仏 (平凡社選書)作者: 五来重出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1988/03/01メディア: 単行本 クリック: 28回この商品…

放射能とともに歩む日本

今までも、これからも放射能と隣接して日本は生き残りを図らねばならない。 戦後、哲学者の森有正のもとで学ぶフランスの留学生が、ある日吐き捨てるように 「日本には、もう一度原爆が落ちるでしょう」と語ったという象徴的なエピソードがある。 ヒロシマ・…

SFの永遠の青春モノ

SFの青春モノ 日本で言えば『時をかける少女』(筒井康隆)に対応する海外の青春モノSFでいいものということで一筆ブログを書きます。 青春っていうのはSFがよく似合うのです。 なんて云うか、青春もSFもどちらも永遠というものに気分がつながっているん…

若者層への圧制

つまるところ英国の暴動は、ジャスミン革命と同じポジションにあるはずが、ただの暴力の連鎖、政治的主張が伴わない暴発に終わったということではあるまいか。 いずれの国家においても若者層は政治的弱者にされ、経済的不利な状況に閉じ込められている。福祉…

リミックスのあるミュージシャン

Girl talk's Remix 典型的なリミックスのミュージシャン、ガールズトーク。彼の[Let it Out]には不思議な悲愴感がただよう。 ポップスの技法や聴くにあたいするサウンドは、先行者たちがお手つきしている。ヒット曲以外にも山ほど表現技法の鉱山は掘りつくさ…

朝鮮日帝支配の再評価の難しさ

今朝のNHKニュース「韓国 戦前日本人評価のセミナー」を読まれたであろうか。 何のことはない、山川巧の再評価イベントである。山川巧の事績は文化史や民芸に関心がある人なら、一再ならず聞き知っていよう。ニュースにあるような植林のみならず早くから半島…

ツングースカ大爆発の現地映像

1908年のシベリアはツングースカに起きた隕石落下のドキュメンタリー。「小惑星に関するクサグサ」や「シベリア大隕石」で前にも似たような話題を取り上げた。 ヒストリー・チャンネルの編集によるロシアの調査隊の撮影した貴重なフィルムが見れる。広大…

妄想的進化論 継ぐのは誰か?

小松左京の代表作『継ぐのは誰か』のテーマは人類が滅んだ後、その座を継承する種はどこにいるかについてであった。 実際問題、人類が首座を他の種に明け渡す可能性は考えておいてもいい時期であろう!? このまま自然環境が荒らされるままにしておけば、霊…

戦艦大和のノンフィクション(マイライブラリー)

圧倒的な連合軍の戦力に呻吟する沖縄県民へのせめてもの手向けとして、 断末魔の帝国海軍が差し出したは3000人の命と一隻の巨艦でした。 敗戦をひかえて戦略が機能しなくなった末期の帝国において、戦艦大和の特攻とは、そんな意味も帯びていたのであり…

日中韓の文化融合のゆるキャラ:インヤン坊

しょせんは日本は東亜の一国であり、2000年以上中韓と通信(信を通じ)てきたのですから、まあ、同根であり、同好のよしみをもっていて然るべきでしょう。 陰陽のシンボルはお隣り韓国でも国旗に配備されてすが、我が国でも古くから思想的・宗教的な伏線…