2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

自分と神社と日本人論

近代社会においては宗教は政治経済と切り離され、自然科学による還元主義的なな世界像に侵食される。その結果としては、かろうじて価値観や人生観にその活動の場を残すだけとなっている。 世俗化とマックス・ウェーバーは概念化した。R.D.レインならえば天使…

古代懐疑主義入門の快楽

今月の岩波文庫『古代懐疑主義入門』は久々の充足感を「読前」から味わえた。「読後」の充実感ではなく、「読前」というのは独善的ではないかと指弾されるかもしれないので、急いで弁明しておく。 この手の出版物が、なにゆえ自分に充足感を与えるのか?1)…

中世神話的世界の投影 説経節「さんせう太夫」

森鴎外の作品『山椒太夫』の元ネタとしてしか知られていない中世の説経節『さんせう太夫』は岩崎武夫や川村二郎らの読みにより、かなりdeepな生き様と末世的かつ救世的な情念の世界が舞台であることが、理系の自分にすら想像可能である。 ちなみにノーベ…

千葉の日本寺大仏と謎のET像

関東圏の大仏というと鎌倉の大仏が知名度高い。しかし、千葉県の日本寺大仏(千葉県安房郡鋸南町元名184)も味わいがある。 地元の声ではバーミアンの石仏にも負けない石造の大仏(daibutu)である。 日本寺という大雑把なネーミングにもかかわらず、歴史が…