2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカのキリスト教会の蛇儀礼

アメリカのキリスト教原理主義の一部が毒蛇(viper)を体にからませて信仰を試すという儀式を行なっているとデズモンド・モリスが書いている。 興味深いぞ、これは。 信者たちガラガラ蛇をもてあそび、ヒガシダイアモンドガラガラヘビのような猛毒の蛇で信仰…

蛸壷やはかなき夢を夏の月

表題は明石の海辺で詠んだ句とされます。 芭蕉の名吟のひとつですが、自分にはひときわ余韻が深い俳句であります。 蛸壺で一夜の寝床をえて安堵しまどろんでいるタコにヒトの生を重ね合わし、加えて、季節のなかで華やかな夏の日が須臾にあいだに過ぎ去り、…

小林秀雄『本居宣長』のことども

むかしむかし、A新聞がまだ知的にカッコ良かったころ、ある連載が話題になった。不良でありながら、めちゃ高知能な少年の取材記事だ。 その少年は、お勉強のできるいい子であることを潔しとせず、自らの人生は自らの価値観で決め、独立独歩の道を歩む覚悟で…

いわゆるシンギュラリティについて

「技術的特異点=シンギュラリティ」はコンピュータ関係者に馴染みある概念だ。 単純化していえば、デジタル生命体が人類の後継者になる。そんな時代がすぐそこに来ている。そういう法螺と真実性がないまぜになった主張だ。素晴らしい議論である。 個人的に…

鳥刺しとモースのこと

鳥刺しなんて一度も会ったことも見たこともない。パパゲーノくらいしか思い浮かばない自分なのであるが、 れっきとした職業としてヨーロッパでは認知されていたようだ。 明治期の親日家で御雇外国人であったモースの『日本その日その日』には、注目すべき鳥…

井上靖『北の海』から

その題名からして演歌と関係ありそうで、まったく関係ない『北の海』という小説について語りたい。 『北の海』は日本の若き時代の青春群像をいきいきと描写している。 静岡県という風光明媚でおだやかな風土に包まれて物語は始まる。金沢の四高から来た蓮実…

アメリカ経済の衰退の論拠

何度かこのテーマで考えてきたけれども、ひとまず論拠をまとめておきます。 アメリカ経済は二度と世界の先導者にはなりえない。その大きな論点として、エネルギー効率の問題が第一にある。 浪費型の産業基盤と生活構造は変化していないし、慣習化している。…

Stockhausen の処女作

「kontakte」はドイツが敗戦の廃墟から立ち直ろうとする時期に生まれた。 現代音楽の希望の時代でもあった・・・