2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

文明の連鎖倒産仮説

4大文明はいずれも大河の流域に発生した。そのいずれもが滅んだか滅びに瀕している。黄河文明とエジプト文明は生きながらえたのかもしれないが、どうもナイルの賜物のエジプトの方は気息奄々だと思われる。黄河文明の子孫である中華人民共和国は今、経済大国…

振り上げた拳をどうするかな〜

日中関係はなかなか緩和の兆しを見せない。それどころか、互いに牽制をしあっている。 隣国を巻き込んでの「碁」のような状況を呈している。 モンゴル、韓国、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ロシア、フィリピンやインド、ブータンまでが、この囲みあい…

祭りの前立て

神輿の行列の先頭を前立てという。その前立てには多く征服された精霊、もしくはその象徴が位置するという。 八幡神の祭りの前立ては「サイノオ」または「才の男」となる。折口信夫は 八幡系統の社では、人形を用ゐる事が多かつた サイノオも人形に置き換わる…

雛祭の古形を考える

3月3日桃の節句は女の子の無事の成長を祈る年間行事だ。 その行事の特色は「雛人形」である。 では、その由来は何なのだろう? 実は、「ケガレ」を抜き去る儀式であったというのが公式見解である。 人形に罪穢(つみけがれ)を移し、海や川に流すという祓…

遮光器土偶の一つの解釈

青森県亀ヶ岡で発掘された「遮光器土偶」の眼は深い印象を残す。その極端に細い眼裂は何を意味しているか? この土偶に関しては少なくとも女性の偶像であり、氏族の尊崇の対象になっていたことは判明している。また、北方シャーマニズムと何らかの連関はある…

黒(クロ)の民俗的名称の寄せ集め

「黒」は異能の性格を具備する、異質な場所であり、異形のフォルムであり、異常なる特質を有する異界のもののテリトリーとなることが多い。黒川 神奈川県と滋賀県 黒石 青森県 黒江 黒岩村 黒崎 黒沢黒鉄 鉄神社黒塚 鬼婆 黒磯 黒沼 黒島 沖縄と鹿児島県黒姫…

港区高輪のおシャモジ横丁

もはや誰も記憶していないはずだが、港区高輪におシャモジ横丁なる通りがあった。 高輪の台地上にあった「石神社」が、高山稲荷神社に合祀されたもので、『江戸名所図会』によれば、石神横町といわれていた。 里俗で「おしゃもじ横町」といったとされるが、…

信濃の巫女町 東御市

信濃巫女は近世まで漂泊の歴史を続けていた。 長野県の祢津祢津東町に明治維新期には40軒ほどの巫女(ミコ)の親方の家があったという。ここは柳田国男や中山太郎が注目している。 柳田国男は『伝説』でこう書き留めている。 さうして信濃巫の故郷はその小…

日本人/倭人の刺青の系統史の件

江戸時代末期に欧米人の耳目をひいたのは鮮やかな刺青であった。例えば、エミール・ギメの写真にその記録が残る。 不思議なのは江戸時代以前のキリシタン宣教師にたちの記録には刺青のことはほとんど記載がないこと。それを大林太良が論文「入墨の連続と不連…

女性の身投げの真意ならびに聖域

女性の身投げの記録は古事記・日本書紀のころにさかのぼることができる。有名なところでは、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の妻、オトタチバナヒメは今でいう東京湾に身投げして、龍神の怒りを鎮めた。 これほど神話的ではないけれど万葉集にある「葛飾の…

漂泊民と石神

古事記にも登場する建御名方神は諏訪湖の地方神として位置づけられている。そに対して、諏訪大社に祀られているのはミシャグジさまなのだ。 この二柱の神の関係は決着がついてはいない。それゆえに幾多の夢想を誘う古代史のテーマでもある。 近代思想史の当…

不穏なる夏の北半球

記録破りの集中豪雨が日本列島を再三再四襲い、水の犠牲者が毎週のようにニュースとなる。 この豪雨は地球シミュレータにより10年以上まえに予測されていた。温暖化の影響でこうなると。 7月にシベリアのツンドラを吹き破ったメタンガスが巨大な噴出口となっ…

三国史 高句麗伝にある「隧穴信仰」

高句麗は古代朝鮮に榮えた強国の一つであるけれど好太王碑(こうたいおうひ)で古代倭国との関係があるくらいの認識しかない。 その国の東に大穴あり、隧穴(すいけつ)と名づく。十月国中大会するときには、隧神を迎えて国の東に還りこれをあがめ祭る。 三…