2023-01-01から1年間の記事一覧

ある種の音楽と脳研究への感想

音楽が脳にどのように影響するかをfMRIと音声スペクトラムをもって研究する例をさきほど聴講した。 α波がどうのこうのとか、脳全体が活性化するというのは、貴重な発見だと思います。けれども、なんかそれ以上深化はないように感じてしまう。 連想するのは、…

どうしてですか、青土社さん

知的関心をそそる訳本の主流から、青土社が姿を消して久しい。 編集部の方針が変わってしまったのだろうか? 思わずそう考えてしまう。 自己流の訳本チョイスなので、偏りがあるのは言うまでもないだろう。 でも、変調しているのは確かなのではないか? 今年…

アダム・スミスの罠 経済のグローバル化&自由化の落し穴

経済学の開始をアダム・スミスの『国富論』に求める人は多いだろう。 その印象的な節で彼はピンの工場での分業化と集中生産の効率性を説明している。 製品は部品と工程別に分解され、それを請負う人が多数回反復することで、手際よく しかも、テイラーシステ…

実写版の用法と肌触り

怪獣映画の実写版というとチープな香りがするし、熱心なファンにはそのアニメの実写版はチートな響きがするだろう。 来客があるので自分の家を掃除したり、片付けるのが、一般的だ。これもそれに反対する非常識な住人としては、「実写版」の住まいではないと…

ゴジラ-1.0への戦中派生き残りの感慨

『ゴジラ-1.0』への感慨としては、いくつかの銘記すべきことがある。 たとえばの話し、 ・帝国の帰還兵のPTSDが克明に描かれ、その社会復帰が成功した(ようだ) ・エンテ型の局地戦闘機の「震電」の大活躍の夢を具現した ・帝国海軍の最後の恩返しの充足。…

ゴジラ minus 1と震電カミカゼの震撼

ゴジラ映画に震電が登場した! これはミリオタの端くれとしては感極まれりだ。しかも、真の国土防衛のため、無辜の市民の安全を守るために出撃し、大怪獣と相討ちを遂げた。そして、見事に散華したのだ(機体のみが) 日本人の特攻精神の伝統を感じさせたと…

岩波文庫 New born 新知識をゲットだぜ!

最近の岩波文庫の新刊は意欲的なタイトルが多くて、とても嬉しいです。 名前しか知らなかった本や入手不可能な古典やその全訳など。 文庫の編集陣が若返ったのだろうかね。 いずれにせよ、こうした新境地は、我らの知的視野をひろげるか、未開の知=地を沃野…

書籍のリコメンデーションでも隔離/専門化があるか

SNSに関する否定的な見方を象徴している現象はフィルターバブルとかエコーチェンバーとか言われている。そこに含まれる協調フィルタリングのようなリコメンデーションエンジンが利用者の求めている意見や情報を優先して提示し、結果として異なる意見や情報を…

オーバーツーリズムよりは、オーパーツツーリズムに親和性がある

外食 アカネちゃん

皆さまの老後に情報端末が使えなくなったらどうなるのか?

国民と役所をデジタル化するためのマイナンバーカードを登録したばかりで、こんな与太話をするのも何だが、一応起きうる事態をシナリオ化しておこう。 情報端末が使えなくなるには、電気代が青天井で高くなるやどこかの後進国のように安定電源供給ができなく…

ペチュア!

あさぼらけの一言

AVANTGARDEYは維新の精神を具現化している

AVANTGARDEYの同質性と同期化の力は日本人の特性のように思える。 日本の誇る新幹線の清掃活動の人たち、エクスプレスドレッサーと同じ精神がある。 また、こうした「同調圧力」は明治維新の時にも社会に働いていたのではないだろうか? なにしろ尊王攘夷と…

大規模言語モデルとは大言壮語モデルである(虚言)

大規模言語モデル入門 作者:山田 育矢,鈴木 正敏,山田 康輔,李 凌寒 技術評論社 Amazon

人生の残りかすを生きているあなたに 残り香の芳醇な味わいもある

これに類したエクリチュールは東洋の賢者にはままあるよ! 菜根譚 (岩波文庫) 作者:洪自誠,今井 宇三郎 岩波書店 Amazon

僕たちはどうしてこうも弱くなったのか? 優しさは傷つきやすさの裏返しだ

明治維新の激動期や昭和のアップアンドダウンを生きた人びとを微かに覚えている。彼らに比して僕たちはいかにも卑弱である。その理由を思いつくまま挙げてみた。 1)かなり安全である。つまり、死亡率が低い。若い頃にポチポチと大事なヒトや身近なヒトが亡…

痴呆老人の世界存在をたずねる

夏休みに祖父母の家を孫であった自分がたずねた時をよく思い出す。明治期の名残とどめた黒い板敷きの台所は薄暗い。よく使うであろう砂糖入れのつまみには埃がうっすらとたまっていたのが目に焼き付いている。掃除を欠かせぬ祖母にはそうした汚れは存在しな…

古い東欧SF映画と中勘助の関係

2023年夏、AmazonPrimeで『金星ロケット発進す』が視聴できる。1960年制作の古い映画だ。それも共産主義華やかりしころの東ドイツとポーランドの合作である。 この作品は自分が子どもの頃に白黒テレビで断片を見たことがある。今回通して観劇して、そのおり…

空想科学哲学小説はなぜ生まれないか?

もう随分と長らくSF小説には刺激を受けてきた。精神的賦活剤としての服用歴は学歴よりも長い。今のかみさんとよりも長い付き合いだ。 ひょんなことから気になったのが、空想科学哲学小説がないことだ。 異星人SF、時間SF、(平行)宇宙もの、戦争SF、カーSF…

STEMの重視のわけ

しばらく前から、有望な技能として、リベラルアーツではなく、STEMが成長企業が求める技能だということになっていた。サイエンス、テクノロジー、エンジ’一アリング、数学の四分野の頭文字だ。 20世紀の科学技術は大量生産と大量消費社会を築き上げた。…

並みの若者たちにとって破られたアメリカンドリーム

ノーベル経済学賞受賞者のアルビン・E・ロスの『フー・ゲッツ・ホワット』はそのテーマ(マッチメーキング)についてはとても良い啓蒙書だが、気に入らない文章がいくつかある。 その最たるものは下記の大勢迎合の一文だろうか。 むしろ人気大学は、たしかに…

ホフマン=シングルトングラフを商標登録できるか

この五角形を埋め込んだ強正則グラフを加工して、商標化できるだろうか? ja.wikipedia.org グラフ理論 丸善出版 Amazon グラフ理論入門(原書第4版) 作者:ウィルソン R. J. 近代科学社 Amazon

夫婦で病気をうつしあう、これぞ愛の証

有名人でいえば、哲学者のフィヒテはこの典型であったと聞く

ああ、懐かしの幼児的全能感よ!

懐かしの幼児的全能感よ! 些細な商品や知識獲得、賞賛などで一気に舞い上がれた幼少年期。 あの感覚を幼児的全能感というならば、その追憶も縮退した幼児的全能感ではある。

愚者の導きの光

トロツキーよ、ケストラーよ、君たちには失望したよ

信じていた人間に裏切られる失望は大きい。 トロツキーは25年前までは心の英雄だった。レーニンの右腕、赤軍の組織者であり雄弁家、スターリンとの対決、優れた歴史家。枚挙にいとまのない能力と実績。 それもクロンシュタットの虐殺の一事をもって、ただの…

偉大な知的遺産に依拠した奇天烈な冒険

超常現象のビリーバーは山ほど新手の超常現象を生成してくれる。そのなかには超クルクルパーな超常現象論を開陳する人たちもいる。それはそれで興味深くも面白いのだが、やはりそれは人智のフロンティア精神には乏しいのではないかと感じることが多い。 自分…

ジャパニーズ・オメガポイントとは何か

テイヤール・ド・シャルダンのオメガポイントをローカライズした「ジャパニーズ・オメガポイント」とは何であろうか? それは今西進化論をペッちゃんこにしたビジョンである。 「みんな、集まって、一にいの三で進化すっぺ」 個体が種の境界を突き抜けるので…

自分うけする架空設定 2000年のヒットだったラブソング『君はオーパーツ!』

こころに響く世迷いごと