2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

流され王伝説

折口信夫の「貴種流離譚」あるいは、同じことだが「流され王」伝説と命名したのは柳田国男であろうか。古代の関東では多くの渡来人が土着したことが知られている。下図を見られたい。 『古代の日本7 関東』(角川書店)より 国司である百済王たちは亡国の民で…

先進国の情報消費社会に蔓延るゲームは60年代の遺産or精神的残骸

ネトゲでもスマホゲームでもファミコンでもwiiでもXBOXであろうと、ゲーム世界はこの世界と違う異界を舞台にする。 パズルでもシミュレーションでもシューティングでもRPGであろうといずれも内的世界、イデアルな世界が背景になる。 典型がダンジョンゲーム…

津々浦々をつくづく味わう新書

日本の風土と遺跡と聖地を知るために国内を巡るには新書がふさわしい。文庫では情報の一覧性に薄く、単行本は重すぎる。 旅先に携えて歩くにはポケットに入る新書がピッタリである。そういう高邁なこころざしで役立ちそうな個性的な新書を集めてみた。 島か…

仏教界のテイヤール・ド・シャルダン、いでよ

カソリック神父から出た異端の思想家である、人類学者テイヤール・ド・シャルダンは禁書指定のまま生涯を終えた。その斬新な宇宙観はイエズス会どころかローマ教皇庁の認めるようなものではなかったためだ。 彼は中国に、20世紀前半の戦塵煙る中国大陸に布教…

横浜の浦島太郎伝説

浦島太郎伝説が横浜にあるというとフザけた話のように思われるかもしれない。でも、これは浦島太郎研究家たちの常識に属する事実である。 『江戸名所図会』(角川文庫版の第二巻)から引用しておこう。 浦島明神(本堂に安す。八千歳の御社とも称するよし縁…

「かひ」のその後

折口の指摘にあるように貝は包まれたもの、包むものであるとすれば、昔の寝具の「かいまき」もその語感となじむようである。元ネタは折口信夫の『霊魂の話』だ。 古語辞典をみると「かひご」は卵とある。古き人々は貝と卵をおなじカテゴリにあると感じていた…