2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

小国神社を歩く

遠州一の宮というと小国(おくに)神社だ。多くの外来の県民にはその名は知られてはいまい。 静岡県掛川駅からローカル線、天竜浜名湖線に乗り継ぎ、30分程度で着く「遠江一宮駅」。そこから、徒歩三十分ほど(自分は神社の定期便バスに運良く乗れた)の場所…

スタインベック 『赤い子馬』 を読み解く

考えてみると牧場を経営する小さな家族、自然の中で少年が馬を育て、子馬の死によって自らも成長する、というような牧歌的なストーリーは、消え失せたジャンルだ。 動物との関係も犬猫くらいで、馬のような実用を兼ねた家畜を育ているような人々は小説の主題…

南京虐殺事件とA級戦犯

南京虐殺があったことは事実だろうが、30万人という無責任な数字が一人歩きしている。しかも、その責任が松井石根大将に帰せられているというのは悲喜劇も極まれりだ。 松井石根は忘れ去らた人物ではない。「日本のヒトラー」と中国人はいまも歴史の教科書で…

高倉観音を拝見する

房総半島の中ほど、木更津市の奥まった山間部に高倉観音、あるいは高蔵寺がある。 ここは坂東三十番札所でもある。周囲にはこれといった観光地がない。あえて言えば、おとなりに上総アカデミアパークなるハイテク研究向けのリサーチパークがある。しかし、こ…

おー、エリスン!エリスン! ハーラン・エリスン!

60年代だったら、「おー、エリスン!エリスン! ハーラン・エリスン」といななきたいところだ。 日本版オリジナル短編集と銘打って『死の鳥』が刊行され読了したのが、その叫びの主な原因だ。 20世紀のSFの白銀時代は60年代のアメリカとイギリスだったので…

空からの無差別攻撃

空から一般市民への爆弾投下は1849年に起きた。日本は江戸時代、嘉永二年にあたる。徳川家慶の時代、葛飾北斎の没年でもある。黒船来航以前の数年前のころだ。 気球から爆弾を投下したのはオーストリア軍であり、最初の被害地はヴェニスである。 飛行機は190…

種族の集団的な適応と暴力

少子高齢化という自然&文化選択がありうるだろうか? 高齢化の大きな要因の一つは小児死亡率の減少である。高齢者が人口の二割になり、生産者層が半部以下になる。 多くの人たちは家族は少人数の子育てをすればあとは自分の老後の準備をすればいいという、…

巨大な天体観測施設の神話的な解釈

南米チリのアタカマ砂漠の標高約5000メートルの高原にある巨大な天体観測施設『ALMA』、すなわちアルマ望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計:Atacama Large Millimeter/submillimeter Array =『ALMA』)を例に、その神話学的側面を読み解いてみる。…