2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『石神問答』成立の背景

石信仰の原点である『石神問答』は定本柳田国男集の第十二巻に入っている。書簡体が基調の奇妙な研究論文だ。嘉田貞吉などの著名人がいるが、どうして柳田国男はこのような人びとと書簡を興隆するようになったのかがまったく不明瞭なままだ。 実は東大の人類…

東北の悪路王と房総の阿久留王

宮沢賢治の傑作「原体剣舞連(はらたい・けんぶれん)」には次の一節がある。 Ho!Ho!Ho! むかし達谷(たつた)の悪路王 まつくらくらの二里の洞(ほら) わたるは夢と黒夜神(こくやじん) 首は刻まれ漬けられ アンドロメダもかがりにゆすれ 青い仮面(めん)…

地形と景観からの江戸時代の変化のメモ

戦国大名は各地でいまだに尊敬されている。仙台では政宗公、新潟では謙信公だし、山梨では信玄公、薩摩では島津様と尊称される。 領国経営に彼ら戦国武将たちは力を入れたからであって、いくさばかりしていたら誰も「公」などと呼びはしなくなっただろう。民…

江戸時代の文化的生産力の高さ

文系出身でなかれば江戸時代の文化などは通りイッペンのことどもしか知らない。馬琴とか秋成や芭蕉・蕪村などだ。しかし、実際のところ江戸人の文化は全国各地で花開いたというべきで、多くの書物が出版された。 その内容は種々雑多、多彩なものだというのは…