事象の地平の拡大へ

 イベントホライズンという相対性理論の用語を換骨奪胎するならば、近代的自我の呪縛を超えんがために、近代的な知の集積を活用して、生の在り方を博捜してきた。

インディーズ系の古書店をめぐる本の紙魚的活動もその一環だ。自嘲気味にいえば、絶目危惧種のインディーズ古本屋に寄生する、もっと絶滅危惧種な趣味人なのだろう。

 真面目は新機軸の知の宝庫をあさること。それは文系であろうが技術系であろうが、サブカルチャーであろうが、ジャンルを問わない。

 煩瑣なスコラ哲学であろうが、化粧のノウハウであろうが、アフリカの神話であろうが、競馬馬の系統であろうが、啓示と驚きと新規性と珍奇性を帯びていれば、新旧を厭わず我が蔵書にする。そのためには千里の道も遠くはなく、東奔西走する暇を惜しまないのある。

 意識の地平の拡大に何を期待しているだろうか?

日本を含む先進国の常識人やその日常意識の制約を再認識することだろうなあ。

その意識されざる狭さが閉塞感や不毛な感性を招いていることをあからさまにしたいのだなあ。