皆さまの老後に情報端末が使えなくなったらどうなるのか?

 国民と役所をデジタル化するためのマイナンバーカードを登録したばかりで、こんな与太話をするのも何だが、一応起きうる事態をシナリオ化しておこう。

 情報端末が使えなくなるには、電気代が青天井で高くなるやどこかの後進国のように安定電源供給ができなくなるなんてもことも含まれる。

 A社のiPhoneのように端末がひたすら高騰して新しい端末が買えなくなるか、金銀銅やレアメタルが枯渇してしまうのが原因でそうなることもないとは言えなくもない。スマホが超高級品になってしまうわけだ。

 肝心のデジタル情報通信網も劣化するかサービス品質が保てなくなる可能性もあるだろう。

 使う側の問題として、高齢化に伴う視覚の衰えやパスワードの忘却や老後破産というデジタルデバイドストーリーも想定できる。

 いずれかの理由で情報端末が使えなくなると、これは皆さまの社会的存在が8割がた抹消されることになる。

 アマゾンプライムが使えないどころの騒ぎではない。遠くの誰とも口をきけず話しかけることができないのだ。電話やメールが使えないし、郵便を送ろうにも住所を物理的に記載したものがないからだ。

 銀行の通帳はなくなって久しい。支店もATMも数が減少しているのでコンビニでおカネの年金振込や残高状況を調べることなるだろう。コンビニ命になるのだろうか。

世知辛いが、各種ポイントもアプリに移行していたらアウトだ。ちなみにサブスク解約が容易にできなくなるので、なけなしの貯蓄から使いもしないサービス料金が天引きされるようになるだろう。

 言わずもがなで、通販もできなくなるので、消費者としての存在感はかなり稀薄になるだろう(小売業者からみて)

 確定申告はマイナンバーカードがあっても税務署までご足労いただくしかない。どんなにヨレヨレしていてもそうしなくはならないのが、国民の義務である。おおむね面倒見てくれる子どもがいないだろうしね。

 そうしたシナリオからすると、今のうちに駅近で公共施設や病院や買い物が至便な場所に転居しておくことをお勧めするのだ。

 写真の類いはすべて滅失したことになろう。どこかのサーバーのデジタル残滓になる。いまやアルバムなどというアナログな保存をしている人は世の中の半数以下なのではないだろうか。

もちろん、DVDやSSD、外付けHD等は宝の持ち腐れ状態になる。

 kindleで本を持っている人は蔵書とおさらばになろう。

 多かれ少なかれ過去の記録はデジタル化されているのが現代人だ。つまりは過去の記録はすべて喪失状態になるのだ。

 総括!

 周囲からは社会的に忘れ去られ、過去の来歴からも切り離される。どこかの後進国の老人たちたちよりヤフー状態になる(『ガリバー旅行記』の「馬の国」のヤフーだ)

 下手に長生きしたが過去からも現在からも見捨てられた生き物というわけで、ヤフーは我らの同時代人なわけである。