2023年夏、AmazonPrimeで『金星ロケット発進す』が視聴できる。1960年制作の古い映画だ。それも共産主義華やかりしころの東ドイツとポーランドの合作である。
この作品は自分が子どもの頃に白黒テレビで断片を見たことがある。今回通して観劇して、そのおり感じたセンスオブワンダーがよみがえったことは報告しておこう。
全面核戦争の危機の時代背景はこの物語りに刻印を残している。そうではあるものの科学技術への信頼は深いことが大きな印象だ。
とりわけ感興を覚えたことは次の三点だ。
1) 原作はスタニスワフ・レムであったこと。そのは東大の学生であった沼野 充義が翻訳している。この人、今では東大教授を退官しているのだが、レムの日本版著作集に関与している。文庫版にはお世話になった。
2) それと日本人女優が大きな存在感を持っており、谷洋子であったこと。1960年の東欧の映画に出演しているのだ。本当に草分けであったわけだ。
3) 谷洋子は日本の国際的女優の走りであり、中勘助の思われびとであったこと。
映画の歴史には思わぬ関係があるものだ。
Amazon.co.jp: 金星ロケット発進す(字幕版)を観る | Prime Video
幼少年期を描いて間然とするころなしの名作。