マネジメントの神様、ドラッカーは日本美術通であった。それも半端な鑑賞力ではない。
縄文土器の独自性や芸術性を早くから感知し、20年以上前に伊藤若冲や蕭白の価値を理解しているのだから。
北斎や歌麿どまりではないところが、やはり具眼の士たる証拠であろう。
彼の「日本画の中の日本人」から、面白く感じたポイントを抜き出しておく。
・日本画には動物画が多いこと。「動物画では世界一」ではないかとまで絶賛する
・18世紀の画家には個人主義的な傾向がある。芦雪や蕭白など
・奇人には無限の自由を与えている。仙突義梵がそうだとする
・中国の絵画は代数的であり、日本のそれはトポロジカルである
・白隠の描いた達磨は精神力に輝いている(白隠の禅風がわかるのですねえ)
・日本の伝統を貫く「知覚力」は経済や経営にもそのパワーが及んでいて、力の源になっている
「日本画の中の日本人」より
さすが、ウィーン生まれの教養人の鑑識力は格段の差があると思いますので、書き留めておきます。
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