SFの永遠の青春モノ

SFの青春モノ
 日本で言えば『時をかける少女』(筒井康隆)に対応する海外の青春モノSFでいいものということで一筆ブログを書きます。
 青春っていうのはSFがよく似合うのです。
 なんて云うか、青春もSFもどちらも永遠というものに気分がつながっているんです。

 最近になって読んだもので、マイケル・コーニイ『ハローサマー、グッド・バイ』は秀作でした。
 古くはパイシン『成長の儀式』などもあったが、大人が読んでも甘酸っぱく物悲しいストーリーという意味では、この作品が上かもしれません。

 タイトルは主人公の若者の一夏の終わりと、その惑星の季節の終末を指しています。と同時に、移ろいやすく短い青春を示唆してます。
 主人公たちは日々の出来事にもまれて不安を感じながら、ドンドン大人になってゆくのです。
 小説の中では権力者たちに翻弄される海辺の人びとと若い恋人たちが淡々と綴られるのですが、最後はどうも単純な終末ではなさそうです。「ロリン」の存在がありますので。


 

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

 カバーの少女がガールフレンドのブラウンアイです。彼女の命運はいかに?

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 ちなみに、夏にちなんだオールタイムベストなロマンティックSFというと『夏への扉』です。主人公は十代ではないけれど。それにしても猫のピートは忘れられないですねえ。巨匠ハインラインの名作。

夏への扉[新訳版]

夏への扉[新訳版]

 タイトルから青春が待ち受けているんです。
 そして、山下達郎はそれを歌にした。