思想系出版を牽引した編集者

 その名は中野幹隆である。ポストモダンニューアカデミズム系の出版の立役者ともいうべきか。1943年 - 2007年の60年の生涯だった。
 朝日出版社の『エピステーメー』の時代が、その編集者としての辣腕が最高潮だった。1975年の頃だ。
 この月刊誌は日本の思想界を牽引した。
 晩年は哲学書房を主催した。この出版社は健在である。
 多産で多忙な生涯であったと言える。
 墓は鎌倉の円覚寺にある。「et in arcadia ego」と記銘されている。