我が散髪の個人史

 昔から理髪業、いわゆる床屋は苦手な人でると自他共に許すものがあった。
少々過去を振り返るとしよう。
 散髪の個人史である。
 この数年はQBハウス。QBが登場してからはほぼ入り浸りである。昔から頭髪には金をかけない主義であった。短時間で終わるのがいい。
 QBハウス以前となると、ほぼ渋谷のガード脇の「ひまわり」である。ここの常連となること20年弱くらいであろうか。
 それ以前となると定点的な散髪屋もなく、ウロウロしていたものだ。記録がないし、記憶にもない。
 高砂や日吉、シアトルとバンクーバーの理髪店は覚えていることは覚えている。
しかしながら、どのような文人の記録を読んでみても散髪の個人史を書き残している例は知らない。
 私小説作家さえも「散髪と私」なる主題を避けているようにさえ思える。
だが、過去に遡るとなると幾つかあるようだ。
 式亭三馬の『浮世床』は偉大なる先例であろうか?