江戸時代を通して権力者から弾圧を受けた宗教集団というとキリシタンと隠れ念仏、それに不受不施派だろうか。
前二者は九州地方に残存するのみであったが、不受不施派は幕府お膝元の房総地方にもその拠点が残存し、その子孫が営々と信仰の伝統を伝えている。
日蓮宗不受不施派の復権は明治9年だ。不受不施派は法華経信者以外の施物を受けず、施さない。それが権力者であっても原則を貫くおいう法華原理主義、法華経至上主義の宗派である。
京都妙覚寺の日奥以降、百人が幕府により遠流(主に伊豆)されたという。
本山は備前の妙覚寺というが、全国に6山しかない。
その『隠れ里』が千葉県の多古町にあるのだ!
地名も「島」という。正覚寺を中心に不受不施派を標榜する(?)地区である。まことにもって頑張るなあ。
どうも千葉県というトコロは端倪すべからざる地域だ。日本武尊に始まり、大友皇子や木曽一族、はては和泉式部の墓もある。すべての流れ者の行き着く先であり、すべてを受け入れる余裕がある気風の土地柄なのであろう。
「島」地区は、地形図からすると川の中州であったのだろう。
元ネタはこの書籍であります。
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