2012-01-01から1年間の記事一覧

新興国の製造パワーの評価

新興国の製造業の持続性について考えてみたい。 日本が世界の工場になったのは1950年から1990年台までであろう。それまでの蓄積があった。 教育水準も高レベルだった。工作機械を自作し、その航空機や造船力で先進国と数年間も激闘したのだ。 その開…

起て!紅の若き獅子たち

先日、三島由紀夫の記念館に行ってきた。 いやはやなんとも、枠にはまらんところが困ったものだ。こんなアルバムもあるんだねえ。どうにもとまらない非合理性と美学だ。

KURATASとロボットの原動力

茶目っ気たっぷりのヒューマノイド型ロボット「クラタス」が話題だ。水道橋重工製 やはりアクチュエータが電動モータだけなのがネックだ。基本的に磁石で動くモータは非力なのだ。 細かい動きを司るのは電動モータであるのは当然だろうが、パワーを要するア…

岡崎市の六所神社

徳川家ゆかりの六所神社

国枝史郎『神州纐纈城』の魔界小説

三島由紀夫が絶賛した国枝史郎の魔界とは、富士山麓に広がる幻想的なアウトローワールドであった。 その『神州纐纈城』では本栖湖の水城に異界ゾーンがある。副題は「富士教団秘境伝奇」 時は戦国時代、武田家家臣、土屋庄三郎昌春という使い手でもある若者…

豊川稲荷の狐塚

霊狐だとか。 『ごん狐』の新美南吉の暮らした新城市や半田町は豊川稲荷からさほど離れてはイない。

多国籍軍としての自衛隊とイラクでの経験

右翼ではないけれど、こういうのに弱くてね。自衛隊にとどまってくれというイラクの人々のデモの話。 サマーワの街で会おう、か。 ちょっと話が出来過ぎのような気もするが、半分でも事実なら敬服に値するね。 他の信頼出来る記事で自衛隊は、唯一イラク人に…

世界(中国と日本)でアメリカ政府を支える

日本と中国の労働者よ、はたらけ!

神道アニメ『千と千尋の神隠し』

東南アジアの新聞の映画評論が記憶にある。 『千と千尋の神隠し』が大ヒットした日本とはずいぶんと未開な国ではないか、そんな論調であった。 それは正しい。 岩田慶治の宗教フィールドワークが語るように東南アジア諸国には、原始的な信仰が生きている。岩…

バシリスク

山田風太郎原作でせがわまさき作画のコミック『バシリスク』は風太郎の作風をよくとらえている。 身体の奇形による変身能力は武器ともなり、まっとうな生き方の障害ともなる。風太郎独自の身体感覚がキャラクターからまざまざと感じられる。ヒットするわけで…

エノケンの「エノケンの天国と地獄」

「エノケンの天国と地獄」(昭和29年)はあまり評判はよくはないようだけれど、後々のカムバック現世もののハシリだ。つまり、この世に未練を残した主人公がその贖いのために戻ってくるというヤツ。 それに主題歌「私の青空」は、知らぬものはないはず。 …

「グリーン・ニューディール」からの撤退

報道によればオバマ政権は、あれほど世評の芳しい「グリーン・ニューディール」からの撤退を図りつつあるそうだ。信用危機・気候変動・原油価格高騰の対策として、世界の見本となった政策の呆気無い結末だ。日経新聞 消えた「グリーン・ニューディール」 世…

エライぞ!地球シミュレーター

スパコンのまっとうな利用、人類と未来のために計算能力をつかった事例というのは少ない。 典型的なのが、創薬、軍事利用など金儲けか戦争のための利用だ。 宇宙創成や超弦理論のシミュレーションはカワイイが、おそらく検証しようもないので夢想にお金を喜…

2012月7月大津のいじめ自殺事件

いじめのやり方がえげつなく自殺した中学生への同情が集まるのは当然である。いじめを行った3人への怒りと座視した教師や事後対応を誤った教育委員会への公憤は自分も同調する。 いじめを行った3人の中学生は、いまや恐るべき社会的制裁のヤイバにさらされて…

『月に吠える』

萩原朔太郎の詩は、けっこう冥いので一般受けすることは尠いだろうけれど、地元の前橋ではそうでもない。 大地のなかの毛だらけな有機物をゲンナリしながら語る、生活に幻滅した芸術家なんて、人気でなかろう。 『月に吠える』のなかで恐水病の幻視が出てく…

坑内カナリア理論から見たる不毛の荒野としての現代

今はなきカート・ヴォネガットJRの「坑内カナリア理論」を援用してみる。 ご承知のように、芸術家は鉱山のカナリアだというのがヴォネガットの所説だ。 酸素の欠乏をいち早く感知してもがき苦しみ、坑夫に警告する。 それが芸術家の役割だ。 現代の文学の凋…

安っぽいけれどいいなあ

頑張れよ、高山くん!

アメリカのキリスト教会の蛇儀礼

アメリカのキリスト教原理主義の一部が毒蛇(viper)を体にからませて信仰を試すという儀式を行なっているとデズモンド・モリスが書いている。 興味深いぞ、これは。 信者たちガラガラ蛇をもてあそび、ヒガシダイアモンドガラガラヘビのような猛毒の蛇で信仰…

蛸壷やはかなき夢を夏の月

表題は明石の海辺で詠んだ句とされます。 芭蕉の名吟のひとつですが、自分にはひときわ余韻が深い俳句であります。 蛸壺で一夜の寝床をえて安堵しまどろんでいるタコにヒトの生を重ね合わし、加えて、季節のなかで華やかな夏の日が須臾にあいだに過ぎ去り、…

小林秀雄『本居宣長』のことども

むかしむかし、A新聞がまだ知的にカッコ良かったころ、ある連載が話題になった。不良でありながら、めちゃ高知能な少年の取材記事だ。 その少年は、お勉強のできるいい子であることを潔しとせず、自らの人生は自らの価値観で決め、独立独歩の道を歩む覚悟で…

いわゆるシンギュラリティについて

「技術的特異点=シンギュラリティ」はコンピュータ関係者に馴染みある概念だ。 単純化していえば、デジタル生命体が人類の後継者になる。そんな時代がすぐそこに来ている。そういう法螺と真実性がないまぜになった主張だ。素晴らしい議論である。 個人的に…

鳥刺しとモースのこと

鳥刺しなんて一度も会ったことも見たこともない。パパゲーノくらいしか思い浮かばない自分なのであるが、 れっきとした職業としてヨーロッパでは認知されていたようだ。 明治期の親日家で御雇外国人であったモースの『日本その日その日』には、注目すべき鳥…

井上靖『北の海』から

その題名からして演歌と関係ありそうで、まったく関係ない『北の海』という小説について語りたい。 『北の海』は日本の若き時代の青春群像をいきいきと描写している。 静岡県という風光明媚でおだやかな風土に包まれて物語は始まる。金沢の四高から来た蓮実…

アメリカ経済の衰退の論拠

何度かこのテーマで考えてきたけれども、ひとまず論拠をまとめておきます。 アメリカ経済は二度と世界の先導者にはなりえない。その大きな論点として、エネルギー効率の問題が第一にある。 浪費型の産業基盤と生活構造は変化していないし、慣習化している。…

Stockhausen の処女作

「kontakte」はドイツが敗戦の廃墟から立ち直ろうとする時期に生まれた。 現代音楽の希望の時代でもあった・・・

乙女のポリシーから乙女の祈り

NHK大河『平清盛』のメモ書き

『平清盛』については賛否入り乱れて、批判のほうがやや多いようだ。どちらかと言えば、自分も批判派になろう。なにせ歴史観が軽い「武士の世」を目指す、などという表面的な行動原理で源平が動いていたわけもない。 それは2001年のタイムズで源頼朝が世界的…

The Last Waltz Engelbert Humperdinck

何を子孫に残せるか

さてもさても、真田の武勇は古今東西ならびなきことなり、と島津を感嘆させた大阪夏の陣での真田左衛門幸村の活躍。名を残して命を散らすというのは、武家の子孫には何よりもの贈り物かもしれない。 それにしても、21世紀の我らの身の振り方である。閉塞感が…

ビンゲンのヒルデガルトの特異性

種村季弘が紹介してから日本でも一躍知名度が上がった「ビンゲンのヒルデガルト」 幻視家にして画家でもあり、ドイツ薬草学の祖ともいわれる。 そして、最近知ったのだけれども、今でも通用する音楽家でもあったのだ。 典礼劇『諸徳目の秩序』(Ordo virtutu…