何を子孫に残せるか

 さてもさても、真田の武勇は古今東西ならびなきことなり、と島津を感嘆させた大阪夏の陣での真田左衛門幸村の活躍。名を残して命を散らすというのは、武家の子孫には何よりもの贈り物かもしれない。
 それにしても、21世紀の我らの身の振り方である。閉塞感が世界を覆う。環境問題は待ったなし。資源は数世代分しかない。だが、放たれたグローバリズムの軌道は修正できないで、ズルズルと先送りしている。
 こうなってくると端的に一番よいのは、方法論的な自壊しかなくなる。ナポレオンの脅迫辞令ではないけれど、理解するのには文明がボロボロになる必要があるのだ。

 戦争後の荒廃からどうして力強く立ち上がれるか? ボロボロの状態、それは子孫に何も残さない、何も継がせないからだ。一から立ち上げるのがベストなこともある。
 スクラップ&ビルドを建前でなく実行するのが、人類最後の選択なのだろうか。それこそが名を残すことなのやもしれない。