「グリーン・ニューディール」からの撤退

 報道によればオバマ政権は、あれほど世評の芳しい「グリーン・ニューディール」からの撤退を図りつつあるそうだ。信用危機・気候変動・原油価格高騰の対策として、世界の見本となった政策の呆気無い結末だ。

日経新聞 消えた「グリーン・ニューディール」 世界の低炭素化は正念場
  http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD050K6_V00C12A7000000/

 再生可能エネルギーの開発は時間がかかり、コストがかかる。
 成果主義で短気なアメリカ経済がそれをものにするのは困難なことであったのだろう。シェールガスという短期的な即効薬に頼ろうとしているのは、「グリーン・ニューディール」に儚い期待を寄せた身としては情けない。
 雇用の回復も思わしくない。一次産業であるシェールガス採掘は労働集約型であり、製造業のような雇用創出にはならなない。

 以前のブログにも書いたことだが、ルーズベルトニューディールも実績はたいしたもんじゃなかった。経済問題を第二次大戦が解決したとされている。
 「グリーン・ニューディール」からの後退は、アメリカ人はそれでもいいのだろうが、地球温暖化が心配な向きには
天然ガス転換は温暖化対策に不十分?」というナショジオを記事を読むことをお勧めする。

 結局、電気自動車などは温暖化対策にはならないことになりかねない。電気は天然ガスや汚い石油=タールサンドなどから生み出されるからだ。

 折しも、太陽活動低下が懸念されている。
これは太陽の日射量の低下ではなく、雲の量が増えることにつながる。太陽光発電はナンボのもんじゃ、という非採算性の増加を招く。
 原発撤退もいいけれどそれよりも電気ダヨリの文明の見直しが重要なんじゃないかなあ。