『平清盛』については賛否入り乱れて、批判のほうがやや多いようだ。どちらかと言えば、自分も批判派になろう。なにせ歴史観が軽い「武士の世」を目指す、などという表面的な行動原理で源平が動いていたわけもない。
それは2001年のタイムズで源頼朝が世界的人物に選ばれた余波でしかない。平家はもっともっと複雑な時代の荒波に翻弄されたまで。
それよりも紅白歌合戦にみられる赤白対抗が、源平合戦に由来することや平家の作り上げた美意識みたいなものを再認識したという意味では今回の大河の存在価値はある。なにしろ『平家物語』に掣肘された歴史観だけでは平氏の役割は十分に語りきれないだろうから。
- 作者: 杉本秀太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/08/09
- メディア: 文庫
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