2013-01-01から1年間の記事一覧

ハインリヒ-アントン・ミュラー

スイスの葡萄農場主がなぜテーマかというと、彼がアウトサイダー・アーティストであるからだけでなくて、永久機関の製作者であるからでもある。 葡萄刈り取り機のパテントをもちながら、発狂したのである。 この蔦の絡み合いが機械であると信じる有り様には…

ゲームによる自己治癒

ロバート・リンドナーの『宇宙を駆ける男』は精神療法家の症例をノンフィクション・ストーリーである。 これは、実に強烈で劇的な症例だと思う。 患者の創造した「宇宙」に療法家が巻き込まれる。 患者は科学者であり自分が別宇宙に属しているという迫真の白…

ネットユーザの行動変容

大仰な題だがすでに看板負けするのは必至だ。 ネットユーザの情報活動が多動性を示すのは、言わずと知れたことだろう。それがサーフィンと揶揄されるのは波乗りのごとく、うち寄せ来る異なる情報に戯れるからだ。しかも、その理解は上澄みをすくうような軽快…

神とアルミ箔...

隔絶したものの比較 神とアルミ箔 山海経と生物分子 おでんとオデュッセウス

渋江抽斎を読む

森鴎外の代表作の一つでもある歴史的評伝『渋江抽斎』を読み返した。 渋江抽斎は、幕末近くの江戸に生きた医者である。津軽藩の御典医から将軍のお目見え格までに昇進したが、実は抽斎は考証学に私財をつぎ込む文人肌の医家であった。 その交友は幅広く、幕…

工場の思想

製造業の危機とかで職が国外に流出している。仕事はないよりはあるに越したことはない。確かに大量の職を工場は提供し、多くの付加収入を地域とそこに住む人びとにもたらす。 その税収は自治体には貴重だろう。農業と異なる定時間の労働での収入は若い人には…

矯激なる隣国 韓国・北朝鮮

我らが日本の隣人たる韓国・北朝鮮はかなりのプライドの高さを持つ、手強い隣人である。その政治体制がどうこうというのはさて置き、歴史がそのアイデンティティを物語る。 その韓国に日本は振り回されっぱなしである。 日本が外交ベタであるというのはその…

世界の外側への旅 Outsider art

エキセントリックなる人びとが内なる衝動に駆り立てるかのように異形のオブジェを分泌する。 その造形は常識人をして立ちすくませ畏怖せしめるとともに、瞠目せしめる。 アウトサイダー・アートは深層世界からのメッセージだ。魂の探求を行うヒトのヴィジョ…

ジャン・デュビュッフェが語る「アールブリュット」その他

アールブリュットとはアウトサイダー・アートのこと。アールブリュットのアーティスト名は「別世界」を構築する。 インサイダーたる我らの常識的視覚世界を開裂させるインパクトがある。 ジャン・デュビュッフェが語る「アールブリュット」 番外 ダーガーの…

ワッツ・タワーの建設ドキュメンタリー

1957年にはすでに、こうした異端建造物にアメリカ人は賛嘆していたわけだ。 日本では沢田マンションがある。香港の九龍城はもはやない。 奇想遺産―世界のふしぎ建築物語作者: 鈴木博之,藤森照信,隈研吾,松葉一清,山盛英司出版社/メーカー: 新潮社発売日: 200…

シンボルとしてのコンパス

分度器、コンパス、三角定規は中学の技術家庭科の三種の神器だっちゃ。ところで、中国神話では女媧(じょか)がコンパスを持っている。人の創造者で蛇身の女神が何故かコンパスを手放さないのが、なんとなく気にかかる。 コンパスをシンボルとする理由として…

千回の夜と再生の儀式

死にたいと思いながら眠りにつき 生きたいと望みつつ目覚めることを 千回繰り返した そんな詩人がいた。

アリストテレスで決まった西洋哲学の軌道

アリストテレスの敷いた鉄路、その上を近代の知が邁進している。 アリストテレスの『形而上学』に従えば、テオーリア、すなわち観照することが最善の人間的営為とされる。 奴隷制を良しとした古代ギリシア人らしい、思い込みではないか! theoryの語源…

まれびととは他から渡来する異質なもの

天賦の直感で古代人の心性を彫琢した折口信夫のこれは有名な学説「まれびと」は、どうやら師と仰ぐ柳田国男の初期の研究を発展させたのだ、そんな弟子折口の自負が込められていた。 遠来の異人、それは多くの場合、海の彼方より来ると想念されていたと折口は…

近藤重蔵の富士塚

幕末にちかい寛政の頃に活躍した幕臣、近藤重蔵は択捉島探検などに足跡を残した。歌重の版画『目黒新富士』は近藤重蔵の邸内に建造されている。富士塚とは富士山信仰(江戸時代から明治時代にかけて)の史跡だ。富士山のミニチュアをご近所に築造して老若男…

Mozartのフリーメーソン・カンタータ

音楽界の最大の神童モーツァルトは29歳でフリーメーソンに加入した。 「フリーメーソンの喜び」(K471)を聴かれたい。 当時、オーストリアでは支配者のヨーゼフ二世がこの秘密結社を保護していた。 愛する者よ、この王冠をとれ、われらの長子、ヨーゼフの…

ロッシーニのオペラ「シンデレラ」

序曲をお聴きあれ

ヌースフィアのグールド=エルドリッジ爆発

ワンダフルライフで生物学者グールドが先カンブリア代爆発の見事な紹介を行った。 進化論でいうと適応放散である。 人間精神においてもおなじ現象がある。

出口王仁三郎の日本

出口王仁三郎の予言ぐるいを織田作之助が書き残している。1945年8月20日に日本がひっくり返るような大事件がおきおるぞと裁判官に発言した記事を織田作之助はその言葉が気になってしょうがなかったと戦争末期に書いた。 歴史は8月15日に終戦となったことを告…

エコノミクスの講義@YouTube

忍者ハットリくんのOP

ハットリくんの本名「服部貫蔵」 伊賀流忍者の末裔だよ。 頬の渦巻きがトレードマークなんだが、これがNARUTOに遺伝していると考える人は多い。

成長偏重の経営戦略を統計的に斬る

アメリカの伝説的な経営者ジャック・ウェルチは「業界で1位を目指せ」とした。大企業であるGEをそうした原則で育て上げたとされる。 だがそれが行か程のものかはかなり疑問がある。 そのためには、絶えず事業部門を四象限にわけてマネージするというボス…

アウシュビッツ、広島そして南京

世界史に残る20世紀の愚行・蛮行として上述の三箇所の地名はそれぞれの愚かさの類型を人類の記憶に刻み込んだ。 アウシュビッツと広島が東西の最大の蛮行であることは誰もが指摘する。アウシュビッツの非人間性は否定するものがいないが、広島・長崎の原爆投…

daddy long legs あしながおじさん

daddy long legsとは「あしながおじさん」の原題。子供時代の愛読書であったのだ。フレッド・アステアが主演だね。相方はLeslie Caronだ。 ダンスシーンが決まっているのが、この時期の映画だ。 あしながおじさん (新潮文庫)作者: ジーンウェブスター,Jean W…

ポンコツ扇風機へ

首振りがままならないマイ扇風機は あっちむいてホイ こっちに風欲しいけれども あっちむいてホイホイ 鹿威しのような風情のある音がして 涼を感じるのが癒しかな 首振りはイヤイヤをするジェスチャーか。 だけんじょ、暑い夏をやり過ごせたのは このワカラ…

「遠野物語」の比較文学

近代文学の事例としての『遠野物語』は、かはり孤絶した現象であると思う。日本民俗学の始点に位置づけられる『遠野物語』が、だからといって研究書というわけでもなく、丹念なるフィールドワークですらないことを押さえておこう。 言い換えると、海外のどこ…

外ヅラ気にするまとめサイト

インターネットのもたらす草の根、生活レベルの対外イメージの情報がこんなにあるんだなあ。 日頃の卑近なことへの外国人の反応が気になるし、すぐわかるのが面白い。それだけ外ヅラ気にしてるのだねえ。機械翻訳が誰でも利用できて、海外の反応をすぐにまと…

白虎隊とヒトラー・ユーゲント

「白虎隊とヒトラー・ユーゲント」 この両者を並べて論じるのはふさわしくないとするのは大多数の意見だろう。会津戦争とナチスの非道な侵略戦争は異なる次元のものだというのは、それはそうだろう。 薩長の傲慢な姿勢に反発した奥羽列藩同盟は士道の本分を…

雲雀の鳴き声

日本のヒバリとメリケンのスカイラークの聴き比べだわ。日本のヒバリは単調だけどお喋りですね〜。 柳田國男によれば、テンマデノボロ、テンマデノボロと鳴くそうな。 野草雑記・野鳥雑記 (岩波文庫)作者: 柳田国男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/01…

お祈り強硬路線

神社にお参りをようするのだが、いわゆる作法に則って礼拝するのは、未だにできない。出来ないので、我流を強行することにした。 「ひふみ」の作法である。一拝、二礼、三拍を称して「ひふみ」の作法なのだ。 ということをツラツラ思いにふけりながら、棚次…