ハインリヒ-アントン・ミュラー

 スイスの葡萄農場主がなぜテーマかというと、彼がアウトサイダー・アーティストであるからだけでなくて、永久機関の製作者であるからでもある。
 葡萄刈り取り機のパテントをもちながら、発狂したのである。

 この蔦の絡み合いが機械であると信じる有り様には、永久機関に向かったその心根を察して余りある。

 そのアーティストセンスはこの画で語れるだろう。

 不遜な幼児性、憐れみ深い傲慢さが感じられるのだ。

アウトサイダー・アート 芸術のはじまる場所

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