山車が登場する日本の祭り33がユネスコ無形文化遺産に登録されるとか。
いつも感ずるのだが、祭りあるいは曳山にかける人びとのエネルギーは半端ではない。
それにしても、山車とは何か。
もちろん、神の遊行される依代(よりしろ)なのだが、なぜ「山」であるのか。神輿と何が違うのか。
自分の思いとしては、山の神が関わってくる。里の神と山の神の交替の節目のイベントとして祭りがある。とくに、その土地の神体山、すなわち山そのものが神である場合には山車に鎮座する「築山」がその土地の境を巡覧することで、土地が再生、浄化されるのだろう。
花祭りにも「白山」があることが知られている。皇室の祭儀である大嘗宮(だいじょうえ)においても標山(しめやま)が重要な位置を占める。
大山講や富士講のように山に参詣するか、山車のように土地をめぐるか、祭壇において象徴の座となるか。
自然環境において「山」はその土地を見降ろし、雨雲を司り川の水となって田畑を潤し、ときには獣を使わす、そういういとも畏き存在であったのだろう。
日本の信仰における「山」は不思議なものだ。
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