トロヤ発掘で知られるシュリーマン。彼は商売で成功するや世界旅行をしている。
彼の日本旅行記は短いながら、維新直前の国情を知るにはいい材料だ。1865年に清國を訪問した後に日本に立ち寄っている。
個人的に興味深いのは八王子の記事であります。横浜の外国人居留地から「絹の道」をたどり八王子に向かっている。絹の道とは当時の日本の主要輸出品である絹の輸送路である。
シュリーマンによれば「絹の生産地であり手工芸の町」とされる。
途中、横浜は三ツ沢上町の豊顕寺を訪れている。また、原町田の茶屋で一服した。八王子は?
雨にたたられシュリーマンは十分な見物ができなかったとこぼしている。残念ながら。
シュリーマンの記したところでは、「工芸品において蒸気機関を使わずに達する最高の完成度にある」としている。ドイツ商人の眼力は将来の工業国を見抜いていた。
シュリーマン旅行記 清国・日本 (講談社学術文庫 (1325))
- 作者: ハインリッヒ・シュリーマン,石井和子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/04/10
- メディア: 文庫
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