三井や住友、三菱財閥と並んで澁澤栄一は日本の経済的勃興に多大な貢献をした人である。その起こした企業の数は500以上とも言われる。
この澁澤については、ここで書きたいことではないのでWIKIから引用しちゃう。
第一国立銀行ほか、東京瓦斯、東京海上火災保険、王子製紙(現王子製紙・日本製紙)、田園都市(現東京急行電鉄)、秩父セメント(現太平洋セメント)、帝国ホテル、秩父鉄道、京阪電気鉄道、東京証券取引所、キリンビール、サッポロビール、東洋紡績、大日本製糖、明治製糖など、多種多様の企業の設立
その資本主義の遺産で今日のオタクたちは自分たちの趣味の世界に没頭できる豊かさを享受しているとしよう。
そして、埼玉県熊谷のはずれ、いわゆる血洗島が澁澤一族の本貫の地である。その澁澤一族の一員である澁澤龍彦はその退嬰的で反社会的な趣味のプロパガンダによってオタク文化に貢献したといえる。
悪魔学、グロテスク、少女、マルキ・ド・サド、足穂、谷崎潤一郎、ユートピア、奇形、終末論、ジュネ、バタイユ、幻想絵画、エロス、オカルト、シュルレアリスム、デカダンス、呪われた詩人たち、ジャリ、怪物、廃墟、猟奇的犯罪、毒薬、残虐趣味などありとあらゆるオタク文化の不可欠な要素を後世に伝えた。
正確にいえば、出口裕弘、種村季弘、巖谷國士、松山俊太郎などの反文明分子たちがありとあらゆる瘴気と類廃のネタを後の世代に残してくれた、そのオカゲだと思う。21世紀になって彼らの世代はほとんど死に絶えたのだけども。彼らの分派として由良君美、高山宏や荒俣宏、中野美代子らがいる。
つまるところは、澁澤龍彦らの紹介の労によって、フランスやドイツ、イギリスやイタリアなどの貴族やブルジョアの爛熟して腐敗臭の漂う文化や文物の魅力が日本人に輸入された。
澁澤栄一らが創り上げた日本の消費財産業はそれらを商品化して、コンテンツ化あるいはゲーム化して、一般市民を蠱惑してきたのだろう。
いってみれば、昭和後期以降に熟したオタク世代は澁澤一族のグランド・チルドレンなのだと強弁できるのではないかな。
【澁澤一族を語るための文献】
栄一から敬三までの澁澤栄一の系譜と業績をコンパクトに紹介してくれる良著。
- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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例えば自裁した矢川澄子との関係、自決した三島由紀夫との交友などは興味深いものがある。
作品集は何種類も出ている。河出文庫や中公文庫でお主要作品は入手できよう。
- 作者: 澁澤龍彦
- 出版社/メーカー: 桃源社
- 発売日: 1970
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