Google Ngram Viewerのある応用例  英語圏からの国際関係の重要性

 上記のグラフは何を語るか。Google Ngram Viewerの出力である。
 Google Ngram Viewerは数百万冊におよぶGoogle Booksからコンマ区切り単語の頻出率をはじき出す。期間はきわめて長く1500年から2008年までとされる。
 複数の国の名前を入力して出てきた結果は何を語るのだろうか。
Google Booksには各国の活字書籍が組み込まれている。しかし、英語圏の国家の書籍が大半であろう。
ましてや英単語で検索するのである。その結果は英語圏における時代精神の関心事とある程度の相関があるとみなしてもいいだろう。

 という前置きで上のグラフを見るならば英語圏ではドイツに関する言及が通時的に多く、ロシアや中国よりも、冷戦期間ですら、多かったことを示めしている。ひたすらに欧米での世評を気にしている日本はドイツの存在感に圧倒されていると、バブルの時期ですらドイツの方が注目されていたことを知る。
 Ngramの客観性や何を意味しているかはなかなか言い表し難い。類語の扱いはどうなのかとか、分野の偏りの問題などがある。しかし、通時的な精神史のある特徴を浮き出すことは確かだろう。