身の回りで、たぬきの置き物(信楽焼き)、こま犬、招き猫とみまわすと動物の意匠がかなり目に付く。
カエルやウサギの置き物もポピュラーだし、稲荷神社は狐をまつる。
奇抜な研究で知られる井上章一は『人形の誘惑』で、かつて薬局でよく見かけたコルゲンのカエルについて考察している。著者の取材の結果「ケロッと」治るのだからだとか。
思えば薬品と動物には直接の関わりはないはずだ。
そこで、その他の動物系マスコットを調べてみた。手元の『広告キャラクター人形館』によれば、
・ニッカウィスキーのくま
・文明堂のカンカンベア
・エースコックの子豚のコックさん
・日立のポンパ君(キドカラーのキャラ)
・佐藤製薬のサトちゃん(オレンジ色の象)
・エスエス製薬のぴょんちゃん
などが懐かしのアニマルキャラだ。
確かに、現在でも会社の看板となっている動物もかなりあるようだ。
SBの白犬パパ、ゴリラを登場させるガスステーションがあれば、シカの自動車メーカもある。
動物を会社の看板にする企業は海外にそれほど多くなんじゃないか?
子猫のハローキティは日本を代表する世界的なキャラに成長したとNHKは報じていた。
また、ご当地ゆるキャラは、こうした動物たちの一種ととれなくもない。
なぜ、多いのか?
そういえば、動物画が日本画に多いと指摘した識者もいた。*1
20世紀の亡命哲学者カール・レーヴィットは東北大の学生に君らにはトーテミズムがあるといったとか。十二支を指していたようだ。南方熊楠の論考を読むとどれほど身近な存在であったかが分かる。
ドイツの洗練された哲学者には、我らの未開性=アニミズムがほの見えたのだろうか。
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