『火垂るの墓』への海外の反応

 野坂昭如氏が逝去した。その記事で引用される代表作『火垂るの墓』はジブリのアニメにより世界に知れ渡った。
 海外のアニメへの反応が興味深い。もちろん「兄弟愛にうたれた」「日本でも悲劇があった」「悲しい」のような共通な感想が多いのだが、
「落ち込む」「欝になる」「不幸すぎて笑った」...のような異質な意見もある。ブログではディスニーブランドのアニメとの対比もなされるている。

 そこで比較参照すべきなのがウィーダの『フランダースの犬』の日本での人気だろう。実にご当地のベルギーではその専門的な研究までもなされるようようになった。
アン・ヴァン・ディーンデレン,ディディエ・ヴォルカールトの『誰がネロとパトラッシュを殺すのか』だ。
 ベルギーでもイギリスでも『フランダースの犬』はほとんど無名に近い。アメリカ映画ではハッピーエンドに変更されてもいる。
 この差異が関心を引くのだ。
子供向けの悲劇ものといったタイトルが欧米では数が少ないと指摘しておこう。日本では可哀想コンテンツが児童モノに多い。
 でも、アンデルセンにはそうした内容の童話があったではないかと指摘するヒトもいるだろう。『マッチ売りの少女』は貴重な例外の一つだ。例外的なのだ。

 後で、ポピュラーな児童モノ悲劇の東西比較をしてみるとしよう。


誰がネロとパトラッシュを殺すのか――日本人が知らないフランダースの犬

誰がネロとパトラッシュを殺すのか――日本人が知らないフランダースの犬

ワーナー・ブラザーズ版の「A Dog of Flanders 1999」