横浜の長津田と後北条氏

 横浜市奥地にある長津田JR横浜線田園都市線こどもの国線の三本が通る交通の要衝というべき街であるけれど、かなり地味な存在ではある。
 関西人で長津田のことなど知っている人などは数少なかろう。いやいや、神奈川県民でもその地名を知るものは稀だと思う。
 なのであるけれど、後北条氏の軍師、板部岡江雪斎のゆかりの土地といえば、戦国大名ファンならば興味を持つかもしれない。
 この軍師は後北条氏が滅んだ後も、太閤秀吉の御伽衆になり、さらにはその子息が関ヶ原の戦いで徳川方に与力した功により、長津田に1500石を与えられ岡野家として永らえた。
 また、板部岡江雪斎は利休の愛弟子である山上宗二(小田原の陣で秀吉の命で切腹)とも親しい仲であったという。
 長津田駅の近くの大林寺にその墓碑があるという。

山上宗二記―付・茶話指月集 (岩波文庫)

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