20世紀を代表するアルジャーノン・ブラックウッドは晩年、テレビ番組でのUncanny Talesで大衆的な人気を博した。イギリス人の怪談話好きを表しているが、戦後の瓦礫のなかでこんな話に聞き入った人々の心情もわからなくはない。
その功績もあって叙勲されている(1949年にC.B.E.(Commander of the British Empire))
ブラックウッドを単なる三文小説家と侮れないのは、芥川龍之介も彼の短編を読み、萩原朔太郎は『猫町』のモチーフを借りていることからも窺い知ることができよう。
彼のテレビ番組を白黒であるけどYoutubeで鑑賞できるのは、ちょっとした感激でもある。台本も何も持たずにひたすら、視聴者に語りかけるのは大したものだ。ちょうど落語名人の怪談話の語りを聞くような気分になってくる。
秘書綺譚―ブラックウッド幻想怪奇傑作集 (光文社古典新訳文庫)
- 作者: アルジャーノンブラックウッド,Algernon Henry Blackwood,南條竹則
- 出版社/メーカー: 光文社
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岩波文庫の解説に朔太郎の作品とブラックウッドのそれとの比較がなされている。
- 作者: 萩原朔太郎,清岡卓行
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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- 作者: 萩原朔太郎
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