金門島と米中代理戦争

 多くの人は「金門島」がどこにあるかなど知らない。知らないどころか、関心もまったくなく、この台湾の領土が中国本土と2kmしか離れていない孤島であるも初耳であろう。

 1958年に中華人民共和国人民解放軍中華民国軍が本格的に砲戦があったことは一部の好事家か専門家しか記憶していないかもしれない。「八ニ三砲戦」として知られる。
人民解放軍の奇襲から始まった戦闘は中華民国軍側が一時劣勢となったが、アメリカの軍事的バックアップ、第7艦隊からの兵站支援や24センチ榴弾砲によって形勢が逆転する。
 この砲戦では47万発もの砲弾が金門島に打ち込まれたとされる。
 事実上、中華人民共和国は敗退したわけだ。
ほんとうは「金門島要塞」がどのような軍事施設なのかに自分の興味がある。大型トーチカや対空射撃陣地、それに硬い花崗岩をくり抜いた地下トンネルで島内は結ばれているという。鉄壁の要塞として蒋介石が中国本土の目と鼻の先、台湾との航路を扼する場所にある、獅子身中の虫のような要害なのだ。
 この島は驚くべきことにいまだに台湾の一部である(観光地にはなっているのだが)

 現在、中華人民共和国と台湾の政治的関係はあまり芳しくない。一つの中国を唱える習近平政権にとって蔡英文政権は目の上のたんこぶ的な存在だ。
 再び、この島が戦場になることがないことを祈ろう。


 地図をスクロールすればわかるように厦門市の目と鼻の先の島なのだ。今でも要塞機能はいきているのであろうか?



世界の「要塞」がよくわかる本 (PHP文庫)

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金門島流離譚 (新潮文庫)

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