日本悲観論は正しくて、でも没落しない理由

 人口減と少子高齢化、エリート層の質低下、国や自治体の財政赤字、技術開発力や研究力の崩壊、地震や火山台風などの被災増大などなど日本の先行きを危うくする「事実」が山ほどある。
 しかしながら、他国が一緒に没落するならば、日本の将来はそうではなくなる。
それと衰亡は一本道のストーリーではない。
 右肩上がりの展望の新興国がすべてバラ色の未来ではなく、先進国のすべてが宿痾に冒されつつあるならば、どこも同じような衰退の一途になろう。みんなともども没落していく可能性が高いのだ。
 とりわけ、地球温暖化に加えて、金融経済の破綻と財政難が世界経済を果てしない極端な景気変動に巻き込みつつある。
 それに付随して衆愚政治化の傾向が先進国を蝕んでいる。民主政の国々での政治家のおそるべき劣化が目立つ。トランプ現象はどの国にも起きてつつある。日本も例外ではないが、幸いにも人物のスケールが小さく個人の裁量があまりないので、西洋諸国のような悲惨さを免れると自分は予測している。
 ロシアや中国、インドも例外ではない。グローバル経済と国々の政治体制の劣化が21世紀前半で始まった。その荒波は孤立した列島にも押し寄せるが、地理的孤立性により弱い(といっても石油ショックリーマン・ショック以上だろうけど)インパクトしかない。