ゴロツキ隠居のグローバル宣言

 隠居なるライフスタイルは中国伝来のものだが、この山島(日本)にやってくるやいなや、ワビサビと萌えを加えて「粋」なものにする。

 そのために原点をふりかえる。
 中国の隠者像がはじめにある。
これは老荘よりはむしろ『論語』のほうに鮮やかに現れくる。『漢書』の逸民伝もその古さとオーソドキシーから参照されるべきであろう。
 そして、唐代の高僧伝、とりわけ禅僧の脱俗性がやがて鎌倉室町期の支配階級たるサムライたちに与える影響、そして上方の町人に文化的覚醒を促すことからも忘れられない。
 禅僧であり、世捨て人たる寒山拾得は蒸留されたモデルになりかわる。その脱俗感や人と世を隔てる

 日本のルネサンス期と原勝郎が呼んだ時代の「生死」を読み返す作業も重要だろう。