燃料電池車や電気自動車が炭素フリーか?

 「燃料電池車や電気自動車が炭素フリー」
 これは世の中に蔓延る誤解の一つである。エコな大衆車というのはエンジニアの夢である。
 だが、もうそろそろ、個車(個人所有向け)の大衆車がエコになるという幻想は捨て、クルマ(四輪)の用途を大量輸送向け(バスやトラック)か、緊急用に限定するべきなのであろう。

 くるまのエネルギー源となる水素や電気を生み出すときのエネルギー源は、火力発電が半分以上であるというのが実情であろう。とくに燃料電池車のための水素の燃料化はエネルギーが二段三段がまえで消費される。
 水素を生成する時とっそれを燃料化する時である。
 そして、もとより、火力発電はカーボン発生の元凶である。

 それでなくとも、原料から部材が作成される時、車体や内装、電装品を製作する時、現地から輸送される時にカーボンは生まれる。
 再生エネルギーで一部はまかなわれるようになろうが、太陽光発電風力発電潮汐発電...とどれも(今のところ)非効率的で環境負荷が無視できない再生可能エネルギー源であるというのが、大方の評判である。


 オバマ政権の施策に影響したこの話題の書の発想も、もはや現実に対する処方箋としては時代遅れになっている。世の中の移り変わりは早い。

グリーン革命〔増補改訂版〕(上)

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