節足動物ながら調教できる稀なる昆虫ということで「ノミ」を取り上げる。
ノミ、とくにヒトノミ(Pulex irritans)は日本ではほとんど見かけることがない。どうしたわけかヨーロッパでは訓練して、「ノミのサーカス」として大道芸の一つになっていた。
ルーシー・クラウゼンの『昆虫のフォークロア』ではホンのニ行程度の記述があるだけだが、その実在性は紛れもない。
小西正泰がもう少し詳しい紹介を書いている。
ノミのサーカスの起源は不詳だが、17世紀にルイ十四世が見物したという記録がある。三十匹ほどのノミに槍を持たせて行進させる。二匹に馬具をつけて四輪馬車を引かせる。これはシンデレラか何かのお伽話のシーンのようだ。
一番人気はサッカーのシュートである。座長が「ゴー」と命じると砂粒大の球をゴールに向けて蹴りつけるのだそうである。
戦前の日本にも巡業したという。なんとも現代人の見世物観とズレたサーカスではないか。
【参考例】
1)この映像は実写である。しかしながら、芸をするという域には達していない。それもやむを得ないだろう。
2)この映像はやや期待を満たしてくれる。何らかの芸をしているようにも見える。
【参考資料】
- 作者: 小西正泰
- 出版社/メーカー: 朝日新聞
- 発売日: 1992/03
- メディア: 単行本
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- 作者: ルーシー・C
- 出版社/メーカー: 博品社
- 発売日: 1993/05/01
- メディア: 単行本
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