ロシア革命は20世紀中に発生し、かつ終幕した巨大な史劇=悲劇であった。始まりは人類に希望を与え、中頃には怨嗟と悲嘆に満ち、その後半の長い終末期はプスンと萎んだプロジェクトであった。
その「中頃」の始まりは、レーニンの最期と重なる。彼は1924年に53歳の人生を終える。
最期の3年間は不治の病との戦いでもあり、「最後の党争=闘争」ともいえる。
彼の遺書に慌ただしく追加された次の一文がソ連の悲劇の開始を告げていた。
スターリンはあまりに粗暴である。書記長にあっては耐え難いものになる。彼に代えてあらゆる点でスターリンよりも優れた人物、つまり彼よりも寛容で、忠誠で、丁重で、同志にたいして配慮に厚く、気紛れでない別の人を任命することを提案する
彼の勧告は無視される。
トロツキー、1929年国外追放。カーメネフ、1936年処刑。ジノビエフ、1936年処刑。プハーリン、1938年処刑。トムスキー、1936年自殺。ラデック、1936年禁錮刑。ピタヤコフ、オルジェニキーゼ、ムディヴァーニ、ライコフ...粛清。
ロシア革命はフランス革命よりは長命であった。しかし、そのトカゲの尻尾切り的な粛清の経路は奇妙な一致をみている。
その政治哲学的考察はハンナ・アーレントの登場まで待たなければならない。
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