「iPAD mini」の記事とGoogle「Nexus7」の記事を比較して思うのは外観においては、ほとんど差がないということだ。サムスンのGalaxyも然り。
細かな配慮ユーザ・インタフェースではAppleが凌駕しているのであろうけど、もはやその相違が解消されるのは時間の問題だろう。ましてジョブスがいないのだ。
日本の家電メーカーの零落ぶりが話題となっているが、それは巨大企業の一般的な原則に例外がないことを示しているにすぎない。Appleもまた然りだ。
巨大企業は株主優待を第一とする。その指標は投資利益率だ。つまり、企業の経営者は株主資本利益率(ROE)を重視するようになる。それが偏重されると自社株買いと配当に利益を費やすようになる。これは企業倫理の末期状態だと思う。企業の独創力が枯渇する一つの兆候だ。
ROEの高さは淘汰圧にさらされる。バレブ、バーナード&ヒーリーの本にあるように「競争の圧力により正常な範囲」に収まることになる。ましてや「巨大さ」自体がその圧力を強めるのだ。AppleのROE=0.4(Sept. 30, 2012)
一般的な企業のROEは0.1〜0.14にあることを思えばこの数字の異常さは際立つ。
守りの構えとなった大企業は長くはない。かつてAppleはジョブスを放逐して長期不振に陥ったことがある。いずれにせよ商品の独創性が失せつつあり、周囲から模倣の波浪にさらされているAppleの栄華は長くはない。
へたに一番になるとあっという間に落ちぶれるのが、歴史の常識なのだ。盛者必衰のことわりだ。
- 作者: クリシュナ・G.パレプ,ビクター・L.バーナード,ポール・M.ヒーリー,斎藤静樹,筒井知彦,川本淳,八重倉孝,亀坂安紀子
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2001/12/17
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