メタ消費

 消費行動を超える消費をメタ消費というもいう。一頃の流行り文句では、清涼飲料水を買うのではなく、その飲料水を飲むという文化行為が他者への記号発信となる。リゲインを飲むのは24時間戦う姿勢をあんに示しているようなものだ。
 顕示的消費より格がうえの「記号の消費」ともいう。
ブランド製品がその代表である。

 消費が亢進すると蓄積型、コレクションという次元に突入する。末期消費形態というやつだ。貯めるために買い漁る。それは消費され消耗されるためではなく、形代としてパーソナリティの分身となる。

 コレクションというと聞こえがいいが、「オタク」型退蔵ともいうべき行為でもある。
 さて、コレクションにはありとあらゆる商品が対象となる。それは形骸さえも残さない「体験」であってもよい。
 切手や昆虫、プラモデルのようなかつて趣味の代表は色あせて、瓶のキャップからマッチ箱やワインラベルなど誰も気にしないトリビアルなものを対象とすることころまできている。
 欲望の多形化がここでも進行中だ。
 おまけに鉄道に乗り温泉に入り祭りに加わり舞台を鑑賞しロケ地を巡礼する等々の無形のコレクションなどがある。