熊本の士族の反乱『神風連の乱』は三島由紀夫の『豊饒の海 奔馬』で取り上げられもした。
明治8年、わずか200にも満たぬ士族の若者らが廃刀令に抗して、県庁と鎮守府を襲う。これは狂信的な暴挙という側面があるが、一方で純粋な神道的な殉教でもあった。
木下順二の戯曲『風浪』ではキリスト教の熊本バンドとの対比で「敬神党」の反動性を扱い、狂信的な側面を描いている。
三島由紀夫のそれは純粋な神道的な殉教として、若者の美しい死を描いている。神風連の精神性にはこちらのほうが、肉薄しているかもしれない。
どちらも得難い文学ではある。
最近では、渡辺京二が神風連を取り上げて紹介している。
もう一つ、谷川健一は「女の風土記」で女たちの神風連を世に伝えようとした。そこに抜き書きされた青年たちは家族想いの潔癖な正義漢であるようだ。そういえば、谷川健一も熊本出身であった。
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ラフカディオ・ハーンの『東の国から』で「九州の学生について」という熊本時代の記録を残している。ハーンの熊本赴任は神風連の乱から三年後だったことも申し沿えておこう。
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