離島が好きだ。だが、絶海の孤島となるとちょっと躊躇する。
イースター島(ラパ・ヌイ)は、世界随一の絶海の孤島だという。どの大陸からも一番離れた島だという。二番目はセントヘレナ島。ナポレオンが流された島だ。
両者に共通なのは森林がないことだろう。
現在は島民の努力により一部回復しているようだ。
石像モアイを製作した文化は、その過程で再生できないほどの森林破壊をしてしまった。森林の喪失はあらゆる生態系の産物の低下に及んでいったはずだ。鳥や獣だけでなく植生の多様性もなくなったであろう。島民が外洋にでるための船の材料もなくなったであろう。
それが定説だという。
モアイのせいでというよりは、モアイを残して他の文化的遺産もろとも生活の質の低下とともに消え失せたということなのだろう。1000個ほど島内にあるという。
むしろ、モアイは文化の灯火が消え去る直前に先祖に助けを求めた、その天への救助信号ではないだろうか?
また、島にはトゥパと呼ばれる石の塔が30あまりあるとも、その用途は不明だそうだ。
西洋文明(1722年)と遭遇した時には、すでに原住民は未開状態に落ち込んでいた。
下の航空写真からでも、広漠として荒涼たる島の自然がうかがわれる。拡大すると詳細な航空写真が見れる。こんな土地では食べ物は外来のものだけであろう。
よほどの興味がなければ、苦労して旅行する場所とは思えないなあ。
とにかく自分はこの拡大写真だけで十分だ。
【参考文献】
冒険的仮設を検証したヘイエルダールの後のイースター島考古学の成果を要領よくまとめた良書。
この本にはモアイの考古学的調査も記載されていて、どうもかなり古い時期に石像をつくりあげたようだ。つまり、文化の末期の訴えではなかったということだね。
- 作者: カテリーヌオルリアック,ミッシェルオルリアック,Catherine Orliac,Michel Orliac,藤崎京子
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1995/12/01
- メディア: 単行本
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