近年の都知事の韓国大統領化現象

 パク・ウネ前大統領が大統領の座から引きずり降ろされるタイミングで、石原元都知事は百条委員会で豊洲移転の責任追及を受けている。ご両人ともに明確な罪状が確定しているわけではなく、現状がうまくいっていないことへの怨嗟で詰め腹を切らされるようなシチュアシオンに置かれている。
 日韓の面白いコンカレントな事件進行だ。

 前の都知事舛添要一さんは広汎な支持を受けて首長とはなったが、政治資金使途の不透明やアンバランスさで反発を買い、2年で降板。その前任者たる猪瀬直樹さんも徳洲会グループからの献金問題で1年で脱落した。
 結局、猪瀬直樹さんを自分の副知事に任命した石原慎太郎さんが、その築地市場移転問題の決断の是非を問われているのが2017年の状況だ。
 石原慎太郎さんは4期勤め上げて2012年まで在任した。都の職員を木端役人と顎で使って玉座に10年も君臨したのが良くなかったのであろう。在任中はその直轄的政治手腕の人気はあったのを想起しておくべきだろう。

 2016年8月からは人気の高い小池百合子さんが都知事となったのであるが、4年間の3代目首長というわけであります。

 近年の歴代韓国大統領が悲惨な末路を辿っているのは李明博氏と金大中氏は近親の起訴で苦しみ、盧 武鉉氏は自殺したなどが有名である。
 都知事と韓国大統領の晩節を汚す傾向は、当初のポピュリズムと独裁的スタンスで権力を握り、人気取りのため成果の性急な獲得のために近親者や資金を使いまくる、そういった権力構造が類似しているのであろう。
 東京都民と韓国国民は短期的効果にミス・ディレクションされて、エグい権力行使を見過ごしてしまう。道義的なものに対する漠然とした復讐的な情緒に引き摺り回されているだけだ。そういう悲喜劇の観客にして被害者になっているようでもある。