新春の尾張一宮を廻る

 1月の御用始めを機会に尾張一宮に参拝してみた。愛知県の代表的な神社である熱田神宮が一宮ではない。
一宮市と市名に「一ノ宮」を取り込んだのは全国でも少ない。市レベルではここだけではないだろうか。
 なもので、JRからつづく繁華街の誘導する先は一宮の鳥居である。


 正式名称は「真清田神社(ますみだじんじゃ)」でござる。国道155号線をはさんで立派な門構えがある。

 尾張氏祖神の天火明命を祀る。尾張氏は古代の豪族であります。天火明命尾張だけではなく、あちこちにその痕跡を残している。京都市の籠神社(このじんじゃ)もそうだ。平安時代初期にできたという『先代旧事本紀』にも「彦天日明」と出て来る。饒速日尊の子孫であらせられ、天孫の一柱だという。出雲族との関連を村井康彦が『出雲と大和』で記載している。

 中部地方特有の石造りの太鼓橋がある。神がここをわたって御幸されるのであろう。足腰弱い翁神にはキツイかもしれない。

社殿には多くの酒樽が奉納されていて地元民の酒好きなことと信仰心を物語る。

 神紋はあとで調べてみよう。


 一宮市は繊維の街でもあった。なもので、服織(はとり)神社もあります。






【参考】

先代旧事本紀

先代旧事本紀

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)