カラシニコフでの連想

 カラシニコフは全世界の紛争地域で「愛用」されている自動小銃のことです。AK47とも呼ばれる。
 重さは4.3キロ、長さは415ミリ。30発の弾倉。分解して8つのパーツになるがここまでシンプルな構造の銃は他にはない。誰でも手入れができる。どんな場所でも使用できる。その結果、世界で1億丁ほど出回ったとされる。

 十代の青少年でも携帯・使用できる。シオラレオネの内戦では少女兵にもゲリラが人殺しをさせた。中東戦争でもイスラエル軍を脅かす。イスラエルガリルというコピー銃を製作したほどだ。

 まず、カラシニコフが連想させるのは、モバイルPCだ。先進国では青少年もモバイルPCを持ち運び「情報武装」と称した。しかしながら、アジアやアフリカの紛争地帯ではカラシニコフが土地利権かイデオロギー対立かで、暴力の道具となっていた。

 AK47AKB48の鏡面のようなものだ。戦争と恐怖のシンボルと平和と享楽のアイドル。
人殺し兵器とアイドルの略称が隣接しているのは不思議だ。
 AKB48のファンならば自戒と自慢のためにカラシニコフのプラモを持つことをお勧めしよう。

DENIX(デニックス) AK47カラシニコフ [1086]

DENIX(デニックス) AK47カラシニコフ [1086]


 そうそう、戦艦大和の搭乗員であり『戦艦大和ノ最期』の著者である吉田満が、キャンディーズの解散狂騒を目撃した見聞記を参照するとイイかもしれない。
 アイドルにうつつを抜かす平和と沖縄特攻に身命を賭した戦争、その若者たちの有り様は、どちらが良い悪いとか、幸せ不幸かとかいう単純な対比を超越して、一世代での深い闇のような断絶があるというしかない、ではないかと。