三島由紀夫の飯能市

 三島由紀夫の凡作の一つ『美しい星』は埼玉県飯能市の住宅街を舞台にしたSFだ。富裕層の美男美女たちが宇宙人でありながら、なぜか市井に暮らすというものだ。
 三島の大脳前頭葉に巣食う「平凡な一般人=地球人とは違う」というエリート的美意識が、このような怪作に变化したのだろうか。
 生活感あふれる異星人ものというアノマリーさが異様である。
 しかも、土地は埼玉県だ。飯能市は美しい星記念館を建設すべきであろう。
 三島由紀夫の正統派ファンからは無視されているが、憂国現象とSFをクロスオーバーさせる人ならば興味深く読めるのではなかろうか?

美しい星 (新潮文庫)

美しい星 (新潮文庫)