邪馬台国を映画化するには

 古代史ファンがこれほどまで多いのに邦画にそのコンテンツが希少であるのは残念である。とくに卑弥呼を扱ったものを待望しているファンは少なくないであろう。
 横光利一の『日輪』は邪馬台国を舞台とした奇作である。卑弥呼をめぐる三角関係による古代国家間の闘争をめぐる壮大なメロドラマだ。ほぼ同世代であった川端康成が尊敬していた奇才の作品である。
 なんとなく青木繁の名画を連想してしまう作品でもある。

 よって、映画脚本家は横光の構想力を簒奪して良きシナリオをまとめることもできるはずだ。