現代の平沼騏一郎

 司馬遼太郎が歴史上の人物を完全に痛罵することはあまりない。
 平沼騏一郎は例外だ。検事総長として、無意味で一方的な宗教弾圧を行い、ヒトラーに尻尾をふった挙句、独ソ不可侵条約を理解できずに内閣を投げ出した。
 司馬は憲政史上まれにみる「無能な」宰相と評した。

 さて、現在の自民党総裁も政権奪還の挙句の果てには、無能さを再びさらすということでは、平沼騏一郎の再来というべきであろう。