来宮神社の巨樹

 古代的な感性には熱海の来宮神社にあるような巨樹は、神そのものに感じられたに違いない。
 来宮神社は「きのみや」神社と読む。木宮神社と称した時代もあったので、巨樹に由来したともいう。伊豆半島は歴史的に大きな船を制作する集団が拠点していた。
御祭神が樹の神でもオカシクはない。

 真鶴半島の貴船神社もその系列だそうだ。静岡県と神奈川県にまたがる地域に特有の神である。
伊豆半島は雨量も多く気候も温暖で恵まれた土地とはいえ、必ずしも広い場所があるわけではない。
山は海に迫り、山と海(太平洋)が踵を接する、その狭い平地に街がある。
 巨樹がそのすき間に生き残っているのは、余程のことだと思う。

 とくに、材木を切り出して船を造成しやすい土地がらだった。巨樹はすぐに船の用材にされてしまうだろう。神社の神木として、ようやく存続できたのだ。

 ともあれ、ここに神社とともに原始の時代から生きてきた樹木がある。それが巨樹の大楠だ。
 

昭和8年に天然記念物の指定
平成4年に本州2位の認定を環境庁(別の場所では1位とも)
樹齢2000年、周囲23.9m、高さ20m



 
 魁偉な樹木としか言いようがない。
 その霊威により、一周すると一年寿命が延びるといういわれもある。いわれに従順に自分も一周した。
 う〜ん、スピリチュアルでリチュアルなフィーリング!

 今回の発見は「蛇神」である。
境内にある「来宮弁財天」の
手前に蛇のとぐろがあるのだ。どうもその由緒書きはどこにもない。

 弁財天さんの巨石の左側に蛇の彫り物があるのだ。

 弁財天さんと蛇って関係があったかいな?


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しかし、この『巨樹』もそうだが、大楠を来宮神社ではなく阿豆佐和気神社としているのはどうした理由なのだろうか。

巨樹 (講談社現代新書 (801))

巨樹 (講談社現代新書 (801))

蛇 (講談社学術文庫)

蛇 (講談社学術文庫)