宮沢賢治の「ベジタリアン大祭」は夢の童話だが、現実にも通じている。それも人類の危機と深くつながる教訓を含んでいる。
賢治自身がそれを実践していた。彼が畑でとれたトマトを小川の水につけておき、一休みする時に醤油をかけて齧ったという記録を読んでから、自分もトマトの醤油派となったくらいだ。
野菜や果物だけでおそらくは十分豊かな食生活を営めるはずだ。
肉食が宗教的な罪悪であるという価値感は除外しておこう。
家畜は穀類を消費している。そのぶんを人々に分配するだけで、地上の飢餓はかなり減らせる。
肉の貯蔵や加工でどれだけエネルギーをロスしているか。草原での放牧がみどりを蝕んでいるかを理解すれば、ベジタリアンという手段はかなりエコな生き方であろう。
食糧危機や水不足の対策となるだけででなく、エネルギーロスを減らし、それらは温暖化対策にもなるわけである。もちろん、南北格差を是正し、貧富の差を減らすことにもなろう。無駄な食材は減らされることになろう。
- 作者: 鶴田静
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/11/01
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